第13話 血まみれメアリー

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 真冬が重傷を負ってから三日後、警察は犯人の身元を特定した。

 指紋の主は『黒川海莉』。東王高校の生徒であるというのが分かった。

 その情報を持って来たのは凛子で、何故彼女がそれを知ることができたのかは誰も詮索はしなかった。

 放課後のいつもの東王市のファミレスには、舞夜以外の全員が集まっていた。

「なら、さっそく東王高校に乗り込もうとしようじゃないか」

「待ちなさい朱音。今日はその生徒が休みと聞いた。いや、この三日間学校に来てないと」

「真冬が襲われた直後じゃない。完全に犯人だと決定したわね。あとは居場所か」

 恋歌の発言後、全員が黙っていると、夜春が舞夜が遅いことを指摘した。

 そういえば、一人だけ遅れて来るなんて珍しい。

 何かあったのではないかと心配する声も出始めた時。凛子の携帯端末が鳴動した。

 電話に応じた彼女は何やら驚いた声を出したので、皆は当然何があったのか気になる。電話を切った彼女は重い口を開く。

「今の電話、例の黒川海莉と名乗っていたわ」

 全員に緊張が走った。

 何故、凛子の番号を知っており、電話をかけてきたのか。

 内容は完結で、自分が東王市で建設中のビルにいるというものであった。

 そこに来いとも、来るなとも言わなかったそうだ。

「いや、相手は誘ってるんですよ。態々自分から敵に居場所を吐くなんて罠でしかないでしょう」

「天音の言う通り、その可能性は高い。私達が集まっている状況で電話してくるなんて、全員を相手にしても何かしらの勝算があるということじゃないかしら」

 しかし、凛子の番号に対してその名を口にするというのをただのいたずらとして流すわけにもいかない。

 話し合いの結果、行ってみる価値はあるんじゃないかという結論に落ち着き、凛子は対策を述べる。

「行くにしても、対策がないんじゃどうしようもないわね。まず、戦闘に向いている霊を持つ私、恋歌、朱音、天音、心が先行して、喜里川さんと夜春は後からついてくる。これを忘れないで」

 全員でそれを確認したところで、マリアは舞夜に連絡を入れる。

 彼女の能力がこの中で一強力なのは皆が理解しているのだが、電話をかけても留守番サービスの音声アナウンスが流れる。

「舞夜には私からもメッセージを残しておく。一足先に敵の元に向かうとしましょう」


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