_ついに異世界_

story.5『雑』

「んぉ!?」

てっきり地面に叩きつけられると思っていた俺はポヨンと跳ねた床に対し驚きの声をあげた。

見れば俺は大きなきのこの上にいた。

「ビビったか?センマぁーっ」

エルミアが俺を指差しながら笑っている。可笑しな声を上げた俺の様が笑えたのだろう、腹立たしい。

「こっちの仲間に頼んでん。きのこのクッション用意したってくれーゆうて。」

ここは礼を言うべきか?…てか。

「てことは、お前ら…俺をビビらせて遊んでたわけか…?」

するとフィシャナが慌てて弁解をするが、あまりにも説得力がない。

「い、いえあの…怖がらせていたのは…えと、こ、心を?強くするため?でしたの!!!」

何気に彼女は嘘が下手なのかも知れない。こんなに見破りやすい嘘は初めてでいっそ笑えてくる。

「あ"ー、別にいいけどよ。んで?これから何すんだ?」

許して貰えたと笑顔になったフィシャナはニコニコしながら答えた。

「まずは私達のギルドに向かいますわ。貴方の服なども用意しなくてはいけませんわね。」

異世界の服…ちょっと面白そうだな。


「エルミア様!お帰りなさいませ!」

「フィシャナ様、よくぞご無事で!」

「エルミア様フィシャナ様、お帰りになられたのですか!?ご連絡くだされば迎えに行きましたのに…。」

「フィシャナ様エルミア様、お疲れでございましょう?入浴の用意が整っております。」


ベラベラと並んでいく

"フィシャナ様"と"エルミア様"という言葉。

めっちゃ敬語の召使いみたいな態度の人たち…これがギルドのメンバーだとはとても思えねぇ。

「何?お前ら貴族か何か?」

エルミアとフィシャナを見下ろして問うと周りのギルメン達から圧死しそうなくらいの視線を感じる。

特にさっき迎えに行ったのに、って嘆いてたイケメンさんからの圧が凄ぇ。

完全に殺気だ。

(何アイツ…あんなの前まで居なかったよ、新入り?エミリア様にあんな口きく新入りとか…自殺志願者?)

そんな声がひそひそ聴こえてくる。

フィシャナが慌ててエミリアに

説明を頼むがエミリアが何故そんなに慌てるのか分からないと眉をひそめる。いいからさっさとしてくれ!


「あー、メンバーのみんなー?

このギルドから推薦した勇者候補、

【センマ】やー。仲ようしたってなー。」


雑くね?

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