あの頃の僕たちは

あの頃の僕たちは、ただの日常が煩わしくて。


あの頃の僕たちは、いちいち大袈裟な大人たちが馬鹿みたいに見えて。


あの頃の僕たちは、世界が充分に視えていると信じていて。



ふとすれ違った学生たちの後ろ姿に、あの日々の気配を感じる。



あの頃の僕たちは、どうしようもなく、世界の誠実さを信じていた。

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