140の泡沫

綾坂キョウ

理性

黒目がちな大きな瞳。折ってしまいそうで怖くなるほどに、華奢な手足。跳んで駆ける姿は、いくら見ても飽きやしない。


だが頼むから、こっちを見て笑ってくれるな。その小さな手で、僕に触れないでくれ。


その柔らかな肉に、今にも食いつきたくて堪らないのに。


頼むから、僕の尻尾を枕に眠らないでくれ。

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