12.29「alice in rainyland」#18
夕食に出かけた食堂で、チェシャが自分のナ
イフで魚をさばいている。食堂の人が、魚の
切り身に緑色の果実の汁をたらす。大きな人
たちと分け合って食べた。昨日泣いていた人
がいた。今日は笑っている。小さい人がくる
のは久し振りだと言う。そうだ、トムはこな
かった?ᆣその人は悲しそうに首を振った。
目覚めると部屋の中は雨風の音で満ちていた
。靄が晴れている。沼地に浮かぶ花たちの周
りに、波紋がいくつも描かれて消える。もう
近くに島はない、と宿屋は言った。風の果て
に、この国の果てがある。この船で行くとい
い。交替で眠ることも、遠くへ行くこともで
きるだろう。それは本当に立派な船だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます