今年はケーキを予約しなかった。娘と僕に小

さなケーキを買いに行った。ケーキ屋の駐車

場は車でいっぱいで、店内のショウケースに

は少しの種類しか残っていなかった。もうひ

とつのケーキ屋に行きたい。娘の声を聞いて

、足を延ばしてよかった。薄闇の中でショー

ケースを光らせる店が、僕らを待っていた。

並んで注文したケーキの箱を娘が持つ。店を

出ようとして、止まっている車が碧く煌いて

いるのに、きづいた。光り始めたイルミネー

ションを映して。娘が僕のスマートフォンで

光る木々を撮影する。娘と二人だけになる前

は、こんなふうに立ち止まることができなか

った。ごめん、それからメリークリスマス。

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