手榴弾をつかえ!・・・って、どうしろと?
今回は手榴弾についての悩みです。皆さんも手榴弾が出る作品を見て「それってどうなの?」って思った事は多いと思います。
え?特に疑問に思った事は無いけど?と思われる方も居ると思うので、1つづつ問題点を書いていきます。
{ピンを抜いて3秒で爆発}
こう思ってる方は多いかと思います。しかしこんなセリフも聞いた事があるのではないでしょうか?
「ピンを抜いたら3つ数えてから投げるんだ」
手榴弾を相手に投げても投げ返されないようにする為ですが、これを聞いて・・・
「手榴弾は3秒後に爆発するんだから、3つ数えた時点で爆発するだろ!」
・・・と思った方もきっと多いことでしょう。しかしこの手榴弾について調べてみると
M626A1手榴弾(レモン、もしくは卵型)は4秒、M67手榴弾(アップル、もしくはベースボール型と呼ばれる物)は4秒から5秒後に爆発すると3つ数えても少し余裕があります。これなら安心・・・・ではありませんでした。
手榴弾の種類によって発動するまでにばらつきがあり、閃光手榴弾や焼夷手榴弾は2秒で発動したりと、これでは3つ数えて待ってたら自爆しちゃいます。
(トラップ用の手榴弾に0秒なんて物もあります)
しかしこれらは”ピンを抜いてから何秒後に爆発する”数字ではありません。それはどういう事かと言うと。
{手榴弾はピンを抜いても安全レバーが外れないと発動しない}
これがあるからなんです。木製の柄が付いていて柄の底からピンを抜いて使う手榴弾は別ですが、大体の人が手榴弾と言われて想像するのはこのレバーが付いている物でしょう。
レバーってどこ?と思う方も多いと思いますか、手榴弾の胴体の横に何やら板状のパーツが
このレバーはピンを抜いた時に外れますが、手榴弾をこのレバーと一緒に握りピンを抜き、投げた時に自然にレバーが外れる様にして投げるのが基本になってます。
つまり安全ピンを抜いてこのレバーを握ったままだと、このレバーは外れずカウントが始まりませんので3つ数えるのは無意味になります。
たまに手榴弾を持った犯人がピンに指をかけて脅す様なシーンがありますが、このタイプの手榴弾ならさっさとピン抜いちゃった方が「俺が手を離したら爆発するぞ!」と脅しになります。
さらに安全ピンが結構固くて抜くのが大変ですのでピンを抜く瞬間に隙が出来易いです。(固くないと暴発する危険が高くなりますし)
このピンを抜きやすくするために兵士が勝手に抜きやすくした為に戦場で爆発させてしまった事故が起きたとか。(手榴弾のピンはリング状のパーツにヘアピンの様なパーツが付いていて、そのヘアピン状のパーツが手榴弾に刺さっていて端が開く様に曲げられ固定されているので、この部分をいじると抜きやすくなります)
たまに作品によってトラップとして扱われた手榴弾にピンを戻して解除するシーンがありますが、この安全レバーの存在が有るからなのですが・・・、このレバー知ってる人がどれくらい居るのかと悩む時があります。SF作品の手榴弾だとこのレバーついてないし、安全ピンすらなくスイッチでポチっと押すだけだったりしますし。
(スイッチ押して、敵の一斉射撃食らって投げるタイミングを失い投げそこなったらどうするんでしょうね? 識別装置入りで味方の近くでは爆発しないとか?)
ちなみに決まった時間で爆発する時限信管ではなく、着発信管が組み込まれ投げて衝撃で爆発する手榴弾も存在します(地面が柔らかいと不発になるので一般的ではないようですが)。では次の問題です。
{手榴弾の威力}
この威力の表現が大体の作品では過剰ですよね。作品よってはものすごく広範囲に爆炎をまき散らして。
「人が投げて使う物なのにそんな高威力にしてどうする!? 使用者が巻き込まれるだろうが!!」
と思うのは私だけではないでしょう。
映画などの派手な爆発はガソリンの炎(またはそれを真似たCGの合成)で、実際の物は特に炎は起きずに爆発による衝撃波が見えるぐらいで凄く地味です。
また爆風でダメージを与える手榴弾(コンカッション・グレネード)は有るのですが、ゲーム等で登場するフラググレネードは破片手榴弾と呼ばれ爆発すると破片が飛び散ります。
この破片手榴弾は有効範囲15メートルと広く(破片によるダメージです)さらに使用者にも破片が飛んでくる危険があるので、投げる前に味方に警告したり物陰に隠れるか伏せて破片から身を守る必要があります。
手榴弾から3メートルほど離れていたら、地面にへばりつくように伏せていれば破片は当たりませんから、何かの手違いでそんな機会がありましたらこれで身を守りましょう。
一方コンカッショングレネード(攻撃手榴弾、爆裂手榴弾)は有効範囲は狭いですが破片は飛んできませんから(爆風で何かが飛ばされてくる危険も無い訳ではありませんが)その分扱いやすいくなります。
・・・・これを読んで気づいた人も居るでしょう。つまりゲーム等でフラググレネードと呼ばれる手榴弾は破片飛んでこないし、性能的にコンカッショングレネードに近いと言う事に!!!(信じてたのに!おまえフラグじゃなかったのか!?)
そしてゲーム等では装甲車などにも有効だったりしますが、実際のフラググレネードは運転席に直接放り込まない限りほぼ無力です(対物用のグレネードランチャーの弾は存在します)
焼夷手榴弾に関しては火炎瓶の様に炎は広がるだけで装甲車には無力・・・・・っと、ゲームでは扱われていますがそうとも言えない様です。
ゲームの焼夷手榴弾は先ほど書いた通りの扱いなのですが、現実での焼夷手榴弾(テルミットグレネード)は燃焼範囲が極端に狭く、金庫の上に置いて発火させれば金庫に穴が開くほどの高温になります。
(硬い相手にはフラグよりこっちの方が強いじゃん・・・)
実際に戦場で撤退する際に、金庫の中の機密書類を焼夷手榴弾を使って金庫ごと処分したりもするそうです。(お前なんでゲームでは機械相手に無力なの?)
うーん、現実の性能を考えるといろいろ困りますね。もうどうしたらいいのでしょう?
一般的な考えだと爆発物って切り札的に見られますし、創作する側としても手榴弾は小型で扱い方が単純で扱いやすいのですが、どこまで真面目に書いていいのもか・・・。
アナタは手榴弾をどう書きますか?
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