最強殲滅兵器、チェンソー?

 今回のお題はチェンソーにしたいと思います。

 

 チェンソー、スプラッター系のホラー映画やゲーム等でお馴染みの武器として登場する道具ですね(一応言っておきますが、チェンソーは武器じゃなくて道具ですよ道具!)


 もう読者の中にはそれら作品の影響で「チェンソーは最強兵器!」と認識してる方も居るかもしれません、でも実際どうなんでしょ?




 現実的に考えると色々問題がありますよね


 まずチェンソーの重量です。軽い物なら3.5キロ程のものもありますが、大型の物になると10キロはあります。さらにエンジンの振動もありますからそんな物を振り回すのは難しいでしょう(ゲーム等では振る速度が遅く、使うキャラも筋肉質なキャラが多いのはこの為?)


 そもそもチェンソーを振り回すのも問題があります。チェンソーは叩きつける物ではなく刃の付いたチェーンの回転で削り切る道具です。叩きつけようものならチェーンが切れて使用者にも危険が及びます


 エンジンを動かす為の混合ガソリンが入った燃料タンクが破損すれば大惨事、下手すると文字通りの自爆攻撃になります(実際、チェンソーによる爆発事故は起きているそうです)


 そして切る対象が人間になると、衣服や髪の毛などがチェーンに絡まって破損する恐れもあるでしょう(人間の髪の毛の強度はアルミニュウムに近く意外と丈夫。濡れると強度は下がるそうですが)


 しかしこれらの問題以前に、もっと根本的な問題がありますよね。




 素人がチェンソーのエンジン起動できるの?


 こう疑問に思った方も多いのではないでしょうか?


 都会育ちっぽい一般人が殺人鬼なりゾンビなりに追われている途中、山小屋や倉庫に立てこもって武器を調達する場面ってよくありますよね。今回のチェンソーの場合・・・



ヒロイン「きゃあああ! 誰か助けてぇ!」


 殺人鬼・悪人に追われるヒロイン


悪人「フハハハ! 日頃から殺されている恨み!ここで晴らす!!覚悟しろヒロイン!」


ヒロイン「殺された恨みって、あんた仕事でしょ!?」


悪人「その仕事で大手を振ってテメェをブッ殺せるから燃えてんだろ! さあ不死身の殺人鬼クリーチャーと化したオレ様にブッ殺されるが良い!!」


ヒロイン「ぐぬぬ…、仕事じゃ無かったら素手で目ん玉抉りだしてやるのに・・・。取りあえずここに!」


 ヒロインは近くにあった建物の中に入って閉じこもる


悪人「あ!物置なんぞに立てこもりやがって! つか今、被害者が言っちゃまずいセルフ言わなかったか!?」


 ヒロインは置いてあったチェンソーを手に取った


ヒロイン「たしかここを引っ張って」


「グルゥゥゥゥン…、グルゥゥゥゥン…」


 何度もチェンソーのエンジンをかけようとするが、なかなかかからず。扉には悪人の斧によりこじ開けられようとしていた!


ヒロイン「もう!さっさと動いて!」


悪人「ハッハー! 開いたぞ!」


 悪人が扉に穴を開け、顔を覗かせたと同時にチェンソーのエンジンがかかった!


「ブルルルルルルルン!!」


ヒロイン「動いた! うりゃあああ!」


悪人「え、ちょっと待て!」


「グシャアアアアアア!」


 ヒロインのチェンソーが悪人を襲う、悪人は無残に倒れた


悪人「なんで殺人鬼の俺が・・・」


主人公「実は殺人鬼は複数いて、主演の中に殺人鬼が混じっていたなんてどんでん返しの落ちもあるからな。クライマックスは俺に任せろ」


悪人「お前も殺人鬼だったのか・・・、ガクッ」



・・・・この様に、何度もチェンソーの紐を引っ張ってやっと動く演出は多いですよね。車もそうですが、チェンソーの場合はどうでしょう?この操作であっているのでしょうか?





 実際のチェンソーの操作法を調べたところ”製品によって微妙に違う”事が判明しました。



 これじゃ素人がエンジンかけようとしても起動できません(現実は無情ですね)


 しかし共通する部分もあります。それはチェンソーの紐、スターターグリップと言うのですがそのT字の形をした物を”引っ張る前にエンジンスイッチをオンにします”


 このスイッチがオンになっていないといくらスターターグリップを引っ張ってもエンジンはかかりません。創作ではこのスイッチを操作している描写はない様な気がしますがスイッチがオンのまま放置されていたのでしょうか?(前に使っていた人は不用心ですね)


 さらに製品によってはチョークと言うノブを引っ張ってからスターターグリップを何度か引いてから改めてチョークを戻して再度引かければいけなかったり


 さらにプライマリーポンプと言うのもいじらなければならない事も、このポンプは透明な半球状で押すと中にオイルが溜まります。こんなの素人には絶対に分かりません。しかも製品よってこれらの位置が違います!


 それらの困難を乗り越えてエンジンがかかったとしても、引き金を引いてもチェーンが回らない事態も考えられます。


 これはほぼ共通の物で、チェンソーの左手で持つ取っ手の前にハンドガードが付いてますが、これがチェーンブレーキも兼ねてます。コレをカチッ下げるだけでチェーンがロックされ回らなくなるのです


 これが下がっていても引き金を引いたらエンジンの音が変わるので、人によってはチェーンが回っていない事に気づかないでしょう(戦闘中ならここ狙われますね絶対)




 もう映画とかゲームの人はどこで使い方を習ったんでしょうか? 相手からしてみれば不満でしょう


悪人「まったくだよ! どこで使い方を習った!?」


ヒロイン「説明書を読んだのよ」


 皆さんも事故防止の為に説明書はよく読みましょう





 しかしエンジン式ではなく電気式ならもっと簡単なようです。コンセントを刺さなくてもバッテリーでコードレスで動くチェーンソウがありますし、それなら電源入れて、ロックボタンを押しながら引き金を引くだけです(パワーはエンジン式に劣るそうです。もちろんチェーンブレーキを解除する事もお忘れなく)


 しかし電気式は創作で使うには静かすぎます。電源を入れた状態では無音で引き金を引かないと音がしません


 エンジン式は動作中は常に音がし、引き金を引けば音を変え視聴者に緊張感を与えますが電気式にはそれがありません




 でもエンジン式の面倒くささも演出によっては使えると思うんですよ。例えば・・・・


 オマケ 殺人鬼・悪人に追われる主人公とヒロイン


悪人「フハハハ! 日頃から殺されている恨み!ここで晴らす!!覚悟しろ!」


ヒロイン「きゃああ! 助けてぇ!」


主人公「こっちだ! この中に隠れよう!」


ヒロイン「わかったわ!」


 主人公とヒロインは近くにあった建物の中に入って閉じこもる


悪人「あ!物置なんぞに立てこもりやがって! つか今、被害者が言っちゃまずいセルフ言わなかったか!?」


 ヒロインは置いてあったチェンソーを手に取った


ヒロイン「たしかここを引っ張って」


「グルゥゥゥゥン…、グルゥゥゥゥン…」


 何度もチェンソーのエンジンをかけようとするが、なかなかかからず。扉には悪人の斧によりこじ開けられようとしていた!


ヒロイン「もう!さっさと動いて!」


主人公「こっちに渡せ!それじゃ動かないぞ!」


 悪人が扉に穴を開け、顔を覗かせたと同時に主人公に手渡されたチェンソーのエンジンがかかった!


悪人「ハッハー! 開いたぞ!」


「ブルルルルルルルン!!」


主人公「うりゃあああ!」


悪人「うわわ!」


「グシャアアアアアア!」


 無残にやられる悪人


ヒロイン「終わったのね・・・。それにしてもよく使い方知ってたわね」


主人公「もちろん知ってるさ、これは俺のチェンソーだからな」


ヒロイン「え・・・・」


主人公「これでやっと邪魔されずに・・・、ゆっくりとお前を殺せるよ」


 ・・・こんな感じで


 あなたはチェンソーをどう書きますか?

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