女の子に持たせたい銃 リボルバー その2

 前回から引き続きリボルバーについて。


 今回私がたまに見かけるリボルバーの誤解を考慮しながら女性がリボルバーを扱う事について悩んでいきたいと思います。


 見る人によっては「これくらい知っとるわ!バカにすんな!」と思う様な内容も・・・、と言うよりそんな内容ばっかりなので覚悟してご覧ください。


 これらの問題点を考慮しながら狙う読者層のレベルを見定めましょう



 では初めに・・・


<誤解1>リボルバーはハンマーを起こさないと撃てない


 たまに見かけますよね? リボルバーの撃鉄ハンマーを起こさないと撃てないと思っている人。(ゲームなどでも明らかにハンマーを起こさなくてもいい銃を、わざわざハンマーを起こして撃っている物が有りますからそのせいもあるでしょう)



 西部劇出る様な銃や一部のハンティングリボルバー等のシングルアクションの銃ならそうですが、前回紹介したスイングアウト方式でリロード出来るリボルバーなら、ダブルアクションで撃てます。


 シングルとかダブルアクションとはなんぞ?と思う人の為に説明しますと、西部劇のリボルバーの様にハンマーを起こすとシリンダーが回り次の弾の発射準備をし、ハンマーを起こし切るとハンマーはロックされ、引き金を引くとハンマーが落ちて弾丸を撃ち出します。これがシングルアクションです。


 ダブルアクションは引き金を引くとシリンダーが回ると同時にハンマーも起され、引き金を引き切るとハンマーが落ちて弾丸が発射されます。


 ダブルアクションの銃だとわざわざハンマーを操作する必要がないのですが、このダブルアクションが曲者です。


 ダブルアクションは引き金を引く動作が大きいので、引き金を引いてる間に狙いがブレ易くなってしまいます。オマケに最近のリボルバーは安全面を考慮して引き金が固くなっているとか。(これでは女性に持たせ辛いですね・・・、困った)


 この為ダブルアクションの銃でもあえてシングルアクションで撃たせたりしますが、射撃場ならそれでいいでしょうが戦闘中に素人がシングルアクションで銃を扱かうのは難しいでしょう。ここも問題ですね。


 そしてもう一つ問題なのがダブルアクションで撃っていると疲れて”人差し指を伸ばして中指で引き金を引こうとする”人が居ます。(しかも無意識にやらかす人も居ます)これは大変危険です!


 何が危険かと言うと、リボルバーのシリンダーは弱い力でも回らなくなる事は前回軽く触れましたが、リボルバーの場合、シリンダーと銃口の間にすき間があり、そこから発射ガス(映画とかで銃を撃つと銃口から火が出てますよね、あれです)が洩れ指を怪我する危険があります。銃の弾によっては”指先が吹き飛びます”ので海外旅行などで銃を撃つ機会がありましたら注意してください。


 では次です




<誤解2>リボルバーに安全装置なんかついてねえ!


 よく聞きますが厳密に言うと現代の物は安全装置はついています。専用の鍵が有る物もありますが、大抵のリボルバーには引き金を引き切らないと撃針が銃弾の雷管に触れないようになっている安全装置がついていて銃の暴発を防いでいます。


 これは銃を特別操作しなくても勝手に動作する安全装置ですから創作においてほぼ無視していい話ではありますが、一部のネタを使おうとすると問題が起きます。それは・・・・


<誤解3>リボルバーは暴発を防ぐ為、弾を一発抜いておくのがプロフェッショナル


 こう思っている人がたまに居ます(少なくとも私が高校に通っていた時に居ました)。ハンマーについた撃針が銃弾に触れて暴発するのを防ぐ為ですが、これは先ほど紹介した安全装置が無い西部劇の様な時代の安全対策ですから、その時代のプロフェッショナル(?)になります。(こうして書いてみると西部劇の影響って大きい様な気が?)


 ですから現代が舞台でその様な安全を対策している描写を入れると「昔のカウボーイかよ」とツッコミが入るでしょう。(西部劇の時代の詳しい銃の扱い方はマニアックになりますので、ここでは省かせてもらいます)



 さて、次の問題ですが


<誤解4>リボルバーとはマグナムである

 

 ちょっと何を言っているのか分からないと思う方が多いと思われますが、要するに”リボルバーで使われる弾は全てマグナムである”と思っている方々が居るそうです。


 え~!?っと思うかもしれませんがゲーム等でリボルバーが登場する時は大抵マグナムなのでリボルバーを見ると反射的にマグナムと思ってしまう人達が出始めとか・・・。


 こう言う人達が女性がリボルバーを持ってるところを見たら「そんな強力な銃持たせるなよ」とツッコミが入るかも?


 リボルバーって銃の種類で必ずマグナムを使うわけでは無いですし、日本のお巡りさんが使ってる様な38スペシャル弾はサイズこそ357マグナムに近い大きさですが、威力はベレッタM92などで使われる9mmパラベラム弾より低くむしろスカスカの弾なので扱いやすいのですが・・・、狙う読者層によってはうかつにリボルバーを出すのは危険かもしれません。


 

 

 リボルバーとはマグナムである・・・。これは極端ではありますし個人的には無視して構わないレベルかと思っていますが、もっと緩い誤解をしている方はよく見ます。


 例えば西部劇を見てる時に「44口径の弾をくれ」なんてセリフが有ると


「え? 44口径?? この時代に???」


 と、うろたえて混乱する人いません? そう言う人は大抵44口径の銃弾が44マグナムだと勘違いしています。


 あの時代の銃には44-40や44S&W弾などの44口径の銃弾はよく使われていますが、その時代の知識が少ないので44口径のリボルバーが出るだけで混乱してしまう場合があります。


 銃が好きと言う人でも古くても第二次世界大戦時代の銃で知識が止まっている人は多いですから、それより前の時代がモデルの作品を書く場合は話を書く時にすこし工夫してそう言った人でも読み易い様に整えてあげる必要があるでしょう。(マニアックに突っ走っても良いとは思いますが)



 あと問題なのがマグナムを出す場合、威力の表現でしょうか・・・


 現実的に考えてマグナムを撃ち出せるリボルバーと言えど拳銃ですし、アサルトライフルなどに火力負けしますよね。


 ですが一部の人にとっては「マグナム弾が好きだ!もっと派手な演出をさせろ!!」と願うマグナム狂な方々が居ますし、その辺りも考えると作風を変えねばなりません。




 う~む・・・・、一番無難なはずなのに、まとめると意外と問題が多い気が・・・、ぐぬぬ…




 アナタはリボルバーをどう書きますか?

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