薬草を使え!・・・どうやって?

 今回は序盤の勇者のお供、薬草についての話です。今回はふざけたような話題が多くなりますが、私なりに真面目に悩んだ結果です。


 この薬草もやはり回復薬と同じように服用して使用するのが一般的でしょうか?つまり食べ物!勇者の主食は薬草!・・・・・とは冗談でよく言いますが、創作で薬草を食べるシーンは少ない様な気がします。


 薬草を食べるとなると絵面がどうしてもシュールな物になってしまうからでしょうが、登場人物に薬草を使わせずに回復薬をいきなり使わせる作品が多いです。皆さん薬草をどこか避けていて、作中に出てきてもただのクエストアイテム的な扱いで出して使ってる気がします。


 ゲームをやり込んだ方でも薬草等の固形物を戦闘中に食べるのは疑問があると考える方は居ると思います。例えばこういうのです。




薬草を食う――――


主人公「うが!」


 主人公は16ダメージ受けた


悪人「アハハ!どうだ俺の攻撃は効くだろ!」


主人公「クソ!薬草で回復だ!パクリッ」


悪人「させん!」

 

 悪人は薬草を食べている主人公に攻撃した!


主人公「むふぁん!??うぐ!!!」


 主人公は薬草を喉に詰まらせた


悪人「あれ?どうした?」


 悪人は勇者の様子に混乱している


ヒロイン「主人公!どうしたの!?」


主人公「うぐぐうぐん!!!」


 主人公は窒息による継続ダメージを受けている


ヒロイン「まさか毒が! さあ、このとっておいたエリクサーを飲んで!」


主人公「ぬぐう!!うぐぐ!!」


 ヒロインが差し出したエリクサーを主人公は拒否し続ける


ヒロイン「勿体ないなんて言ってる場合じゃないわ!さあ飲んで!」


主人公「うぐ!」


ヒロイン「飲みなさいよ!」


主人公「うむむぐうう!!!」


ヒロイン「そんな・・・まさか」


主人公「ふぐ?」


ヒロイン「私の口移しがいいのね♡」


主人公「む!?・・・ぐ…」


 主人公は窒息死した。悪人は戦いに勝利した


悪人「え?」


ヒロイン「しッ…」


悪人「ん??」


ヒロイン「死ぬほど私の口移しは嫌かぁぁ!!」


悪人「うわ! 俺にあたるなぁ!!」


――――こういった想像をした方は多いのではないでしょうか?


 あるゲームで飴玉と板チョコ、ハチミツなどを用意して「ゲーム内でアイテムを使用する時は同じ様な物を食わなければならない!」なんて縛りをしてのどに詰まらせた事が有るのは私だけではないはずです!



 薬草を食べるもう一つの問題は保存方法です。道端で生えていたものなら生でしょうが、薬草だって植物ですから生のままだと日持ちしないでしょうし、乾燥させて保存し易い様にするのではないでしょうか? 水分が抜ける事で軽量化もできますし。


 つまり民家のタンスに有った物や店で売られている物は干して乾燥させた状態の可能性があります。そんなドライフラワーのような状態の物を干し草の様にムシャムシャ食べるのはかなりの苦行でしょう。中々飲み込めません。


(これが納得できない方は干し野菜を嚙みながら「これを飲み込まなきゃ薬草使えない!!」と悪戦苦闘しながらゲームしてる私の姿をご想像ください)





 薬草は生の状態でも日持ちする生命力がある設定なら良いかもしれませんが、そうすると薬草が何かの拍子に潰れた時に汁が出て不快な思いをする可能性があります。

(放置されたジャガイモの様に芽を出すなどの変化もあるかも・・・)


 皆さん薬草をどこか避けて・・・と書きましたが、そもそも薬草の使い方が分からない人が多くてどう扱っていいか迷ってる方が多い気がするのです。ペンペン草(ナズナ)に止血効果があるからって言われて渡されても使い方を迷うのが普通でしょうし。

 

 故に回復薬の様に内服するか、単に薬の材料として扱い、単体では回復手段としては使用しないなどの選択をしてしまうのではないでしょうか?




 それでも使いたい・・・薬草を! と言う方の為に(私の事なんですが)患部に使う使用方法を現実の薬草の用途から参考に例を出します。(主に生のままの使用方法ですが)


 でも<<ここに書いてあったからって現実で決して安易に真似しないでください!あくまで創作の参考に留めてくださいね>>


①湿らせたり揉むなどの手段で薬草の成分が染み出しやすい状態にしてから患部に貼る。出来れば包帯を巻くなどをして固定する。


②より有効成分を患部に浸透しやすくするためにすり潰し患部につけるか(もちろん出来れば包帯で固定を)、ガーゼの様な物に包んで患部に巻き付けて固定する。薬草をすり潰すための適当な器具かない場合は噛んですり潰します。



 この二つです。②の手段なら薬草が乾燥してても唾液で水分を足せますから少量なら使い易いのではないでしょうか? 両方戦闘中には使い難い方法ですが・・・


 薬草からの薬の作り方は次回書こうと思います。




 オマケに私が「ファンタジー世界の薬草ってなんなんだろ?」と思い考えた考察を書きときます。ご参考までに。


 薬草とは薬効がある植物の総称ですが、ゲーム等では毒消し草などの数種類しか登場しません。毒消し草だって薬草なのに”薬草”は薬草と言う名前です、なぜでしょうか?


 それは薬草が先に発見され広まったからではないでしょうか? 薬草の効能はすさまじく、回復薬ほどではありませんが傷がたちまち治り体力が回復します。現実世界で薬草と呼べる物でもファンタジー世界の薬草の効果には敵いません。


 つまり他の植物に多少薬効があっても薬草の効果には敵わず、薬草と呼べる薬草は薬草しか無かった時代があったのではないでしょうか?(ややこしい)


 毒消し草は毒にかかって使用して初めて効果が分かりますから、薬草より薬効の発見が遅れて毒消し草と言う名称で呼ばれてるのではないかと。


 薬草のもう一つの凄さはその生命力です。毒消し草等もそうですが、植物は普通収穫できる期間が決まってますが一年中薬草は収穫できます。


 そして薬草は森だろうが雪山だろうか火山だろうが、砂漠にだってある場合がある高い順応性持っており季節も環境も選ばず繁殖します。


 毒消し草は繁殖している場所に毒を持った生物がいる場所や毒の沼地が近くにあるなど偏りがある事が多く、おそらく毒物を有用な成分に変換する栄養にしているからではないかと。その効果で使用した人間の毒が浄化されてしまうのではないかと考えます。


 薬草の生命力はそれだけではありません。ダンジョンに向かう途中に薬草を収穫して、ダンジョンから帰る頃には再び同じ場所に薬草が生えている事が有るくらいです。


 ゲーム等の世界では人間と魔族が争っている事が多いので絶えず薬草は消費されてますがもしかしたら・・・




世界が平和になり薬草が消費されなくなったら―――――


――――薬草の生命力のせいで世界が薬草で埋め尽くされ滅亡するかも





 そう思うのです。例えば何故「薬草をいくつか取ってこい」なんてクエストがあるのでしょうか? 薬草の生命力なら育てるのは簡単でしょう。ですが薬草畑があるゲームは少ないです。


 これは国が薬草の繁殖力を恐れて薬草の栽培を規制しているからではないでしょうか? そして栽培を規制すると共に定期的に野生の薬草を取ってくる様にクエストを出して薬草の異常繁殖を食い止めているのでは!?



 人類と魔族の戦争は――――


   ――――薬草を消費するための戦争なのかもしれません




 アナタにとって薬草とは何ですか?

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