ファンタジー系小物の設定、扱い方の悩み

回復薬は飲み物!そんなの常識・・・?

 では今回は回復薬の扱い方の悩みを書いていきたいと思います。


 ロングソードも書き直してないのに何故書いたかと言うとですね。応援コメントを見て下さると分かると思いますが・・・最近自らヒロインに刺されに行く読者が現れました。


 そこで!その方が安心して刺されるべく回復薬の知識を身に着けてもらって自分で手当て出来るようになってもらおうと今回のテーマにしました!(もちろん冗談ですよ。テーマを選ぶきっかけになったのは確かですが)






 それでは本題に入ります。回復薬、作品の中でキャラクター達の傷を癒す便利グッツでファンタジー物の作品には欠かせない物でしょう。しかし、ファンタジーと言っても様々なジャンルがありますし、作品によって扱いに差があります。


 どの程度の効能か?使用方法は?流通量は?また魔法的な効果の有る物か民間療法的な効果しかない物、その両方が混在する世界なのか?


 回復薬だけでも悩みはつきません。自分の世界観に合った設定にするのはどうすればいいのか例を出しながら悩んでいきたいと思います。



 一番多いのはこのタイプでしょう


例1.―――――


ヒロイン「怪我をしたの? この回復薬を使って」


主人公「ありがとう!ゴクゴク・・・」


 主人公はヒロインから回復薬を受け取り、瓶の中の回復薬を飲み干した


主人公「ぷはぁ! よし、傷が塞がって体力が回復したぞ!」


――――こういうタイプが多いですよね。あの人気狩猟ゲームでもゴクゴク飲んでますし。実際にあったら冷蔵庫いっぱいにしてでも常備したい薬です。





 ですがこの使い方を受け入れられない人も居るのではないのでしょうか?


 きっと「これはファンタジーだしゲームでもこうだから大丈夫」と殆どのここに来られる様な方は思ってるでしょう。ですが最近人気なのは現実世界からファンタジーの世界に行くジャンルですよね?そうなると何か引っかかりませんか?



 そんな現実世界からファンタジーに飛ばされた人間がゲームをあまりやらない常識人だったらどうでしょう? 私はこうなると思います。




例2.――――


転生者「ぐがっ!派手に転んでしまった・・・・。けっこう傷が深いな」


ヒロイン「怪我をしたの? この回復薬を使って」


転生者「ありがとう、助かるよ」


 転生者はヒロインから回復薬を受け取り、瓶の中の回復薬を擦りむいた傷口にかけ・・・


ヒロイン「?」


「キュッ」


 ハンカチで傷口を保護する様に縛った


転生者「これでよし」


 転生者が立ち上がった所で、ヒロインは状況を理解した


ヒロイン「それ飲み薬よ!」


転生者「え!? 怪我を治すためにくれたって事は傷薬だよね!?」


ヒロイン「そうよ、早く飲んで」


転生者「傷薬を・・・飲むッ!? えっとどれくらいかな?」


ヒロイン「瓶の中身全部よ。早く飲み干して」


転生者「傷薬を…栄養ドリンクの様に・・・飲み干すッッ!?」


――――この様な感じにかなり混乱すると思うんですよ。傷薬をもらって迷わず飲む人は居ないですよね?



 しかも飲んだら傷口が塞がる効果が高すぎる”劇薬”と思うかもしれません。怪我をするたびに乱用するような事もないのではないでしょうか?


 薬である以上、用量を守って使いたがるはずです。薬の飲み過ぎは返って身体に悪影響なのは常識ですし、効果が高いなら不安も強いでしょう。

 


 薬を受け取ったら迷わず飲む!なんて余程こう言ったアイテムに憧れが強くないとできないと私は感じてしまうんです・・・。この後か書きますが、飲むの表現が悪い訳ではありません。



 「回復薬を飲んでしまうのはなんで?」と思っていた私が調べたところ


 ゲームに登場する回復アイテム”ポーション”が”飲み薬”と言う意味だからみたいです。つまり多くの場合「これは治癒効果の有る飲み薬ポーションだ」と言われて渡される訳ですから飲むのは自然です。(瓶の中身を全部飲み干すかは人それぞれでしょうが。まさかバ〇ァリンシロップを一気に飲んだりしないですよね!?)


 逆にポーションと言う名前の回復薬を作中に出し「ポーションって回復薬だから傷薬だろう」と傷口に使う表現をしたらマズかった訳です。


 そしてHPもMPも全回復するアイテムの代表格エリクサーです。ゲームでこう言ったアイテムが使うのがもったいなくて最後までけっきょく使わない事をエリクサー症候群と言う言葉が出来る程有名です。


 このエリクサーも基本的に飲んで使う物で、少なくとも液体であることは確かなようです。飲めば不老不死になると言われている万能薬で、このエリクサーと呼ばれている薬酒が幾つか存在します。(もしゲームのエリクサーがこの薬酒だったら余っても、宴会などで使えそうですね)


 その内の一つを買って飲んだ事が有るのですが、蜜の様に甘くて独特風味のある物でした(ハーブ系リキュールにはこういうタイプが多いですが)。これをこぼし汚れた部分が乾くとベトベトする程です。回復薬の味の表現に困ったら飲んでみるのもいいかもしれません。




 これらの事を考えると回復薬は飲むのは別におかしくはありません。でもポーションが飲み薬と分かっている人がどれ位いるか分からないし傷の回復に飲み薬はちょっと今描いてる作品には合わないし・・・・と考えると工夫する必要があるかもしれません。


 回復薬が飲み薬だと考えられる問題は・・・


①顔がおおわれる様な兜をしている場合脱がなければならない。もしくはストローの様な器具を使って飲むなど工夫すれば飲める様にする必要がある。


②怪我が生々しい表現がある作品の場合は、喉を切り裂かれた人間に飲ませるのが難しい。意識の無い人間に飲ませるのも窒息する危険がある為難しいです。


③かけても飲んでも効果がある薬なら、戦闘中などで息を切らせている最中でも口を塞いで飲む利点を考えなければならないでしょう。(負傷者が鎧で覆われていて傷口を直接視認できず、他にも傷がある可能性もあって飲んで全身を直す必要があるなど)


・・・くらいでしょうか?





 次回は薬草とどう向き合うかの悩みを書こうと思います。

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