ファンタジー等に登場する武器の性質、及び扱い方の悩み
レイピア使いたい!でも・・・(その1)
今回は西洋風ファンタジーの剣士が使う物で人気の高い武器の1つ、レイピアについての悩みです。
多くの方は「そんなの事で悩むの?」と思われるでしょうが、リアリティを少しでも加えようとするといろいろ問題が出てくる武器で非常に扱いにく物なんです。まず私が思う多くの方が想像するであろうレイピアを持った主人公と例として書いてみます。
レイピアでの戦い―――――
悪人「待ちやがれ!」
悪人に追われていた主人公は裏路地に逃げてレイピアを抜いて振り替えてる
悪人「やっと観念したか」
主人公「俺のフィールドに誘い込んでやったのさ。えいや!」
主人公が逃げ込んだ幅が狭く前後しか動けないような裏路地、そこはレイピアを持つ主人公の独壇場だ
「シュン、シュンッシュン!」
主人公のレイピアの軽さを生かした連続攻撃が、大振りな剣を持つ悪人に浴びせる
悪人「くうっ!なんて素早いんだッ」
悪人は主人公の攻撃を紙一重で剣で弾いて躱しながらしのぎ
「カンカンカン!」
悪人「今だ!」
隙を見て悪人は主人公のレイピアを剣で叩き折る!
「ガキン!」
主人公「しまった!」
悪人「フヘヘ・・・どうするよ主人公!」
武器を折られて追いつめられた主人公!このピンチをどう切り抜けるだ主人公!!
―――――とまあ、こんな感じでしょう。
これを読んで違和感を感じない人が多いのでは? でもコレは読む人によっては”ツッコミどころしか存在しない”程、おかしい物なんです。ツッコミどころが分からない人の為に1つづつ説明します・・・・が!
!!!警告!!!
<<アニメや漫画で大好きなレイピアキャラがいて、夢を壊されたくない人は今すぐ引き返してください!>>それでも読みたい人は流されない強い心を持ってください。私はは決して創作のレイピア使いを貶めるつもりで書いているわけではありません! 私だってレイピアを持つ好きなキャラが居ます。ヤツを侮辱する奴はオレの剣をしゃぶれ!
それでは説明していきたいと思います。まず皆さんはレイピアの細身の刀身とフェンシングの剣をイメージして軽い物だと思ってませんか?フェンシングの剣は金属製だし、レイピアも大して変わらないだろうと。
(フェンシングの剣の重量はフルーレとサーブルは500グラム以下、エペは770グラム以下と決まりがあります)
しかし実際のレイピアの重量はだいたい”1.2キロ”程です。「あれ?俺の持ってる日本刀と対して変わらない??」と思った人も居るのでは?
どれ程レイピアが重いか、他の武器の重さはと言うと
日本刀(造りにもよりますが)900グラムから1.4キロぐらい
ロングソード(両手片手両用のバスタードソード)1.3キロから1.5キロぐらい
ファルシオン(片手剣の一種)900グラムから1.3キロぐらいです。
レイピアって意外と重いんです。扱い易い様に重心を手元に近くしてありますが、素人なら良くあるレイピアを手を伸ばした状態で片手で構えるのも難しいでしょう。
これを考えてしまうと「女性だから軽そうなレイピアを」なんて安易に出来なくなります。むしろレイピアを扱える腕力があるなら他の武器でもいいのではないでしょうか。逆に筋肉マッチョなレイピア使いは別におかしな表現ではありません。
この問題としてシナリオを書いてる人にとって一度やりたいシュチュエーションとして、女性のレイピアを使い―――――
ヒロイン「きゃあ!」
ヒロインの持つレイピアが、悪人のロングソードの一撃で弾き飛ばされた
悪人「観念しなヒロイン姫」
ヒロイン「決して屈したりしないわ!」
ヒロインは死んだ兵士からロングソードを手に取り、悪人に斬りかかった
ヒロイン「えい!」
悪人「おっと」
だが慣れない武器のせいで悪人に軽く躱される
悪人「ほれほれ、どうした!」
悪人は遊ぶように剣をヒロインに振るい、それを何とか剣で受け止める事しかできない
「カキンカキン!」
ヒロイン「剣が重くて今く振るえないっ!誰か助けて」
――――レイピアを失い、やむ終えず重い剣を手に取り立ち向かう萌えるシュチュエーションです。似たような表現はよくありますよね。
でもレイピアの重量を考えたら変ですよね。1.2キロのレイピアを片手で扱えるなら1.3キロのロングソードを両手で”軽々と”扱かえるはずです。さらに言えば、もし悪人が両手でしかロングソードを扱えない腕力だったら(この場合、”片手でも両手でも扱えなければならない剣”を両手でしか扱えないことになるので、他の戦士と比べて悪人は貧弱になるのですが)、レイピア使いのヒロインに腕力で圧倒されるでしょう。
つまりこれは悪人の夢で現実は――――――
レイピアを弾かれロングソードを手に取ったヒロイン
「カキン!カキン!」
ヒロインの重い一撃の連打が悪人を襲う!
ヒロイン「ほらほら!それでも男? 全然力ないじゃない!」
悪人「女なのになんて重い斬撃だ!くっ!」
悪人はヒロインの攻撃をどうにかしのいでいたが、たまらず後ろに飛び引いて間合いをとった
ヒロイン「そこは私の間合いよ!」
そう言ってヒロインは右手を放し、剣の柄の後ろを掴んでいた左手で突いた! 悪人は失念していたのだ。両手で剣を持つより片手の方が腕を自由に動かせる為、間合いが広い事
「シュ!」
そして彼女がレイピア使い、つまり突きのスペシャリストだと言う事を
「グサ」
ヒロインの剣は悪人の兜の覗き穴の隙間を通り目を抉った
悪人「ぎゃあ!目がああ!?」
ヒロイン「脳だああ!!」
傷が浅いと判断したヒロインは両手で剣を掴み、体重をかけて更に剣を突き入れた
悪人「うッ」
ヒロイン「女なめんじゃないわよ。ふう…」
そう言ってヒロインは悪人から剣を抜いてひと息ついた
「ドサッ」
―――――こうなるはずです。か弱さの欠片もあるわけありません。レイピア使いが手負いの獣の如くロングソードを振るったら、かなり凶悪なはずです
まだ途中ですが長くなったので一旦ここで区切りたいと思います。それでは次回。
「まだあるの!?」と思った方。まだまだ問題はありますので覚悟してください。
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