【資料】ヨルの談話(5)「四大魔法と古代魔法」

 おはよう諸君。

 “人類拠点”ロー=ティリア、英霊地下壕より、ヨジュアランド筆頭魔術士ヨルである。


 私が来たということは、そうなのだ。

 本日の更新は――……

 ……

 ……ん? 昨日の更新が無かったようだな……。

 であれば、今日また更新を休むわけにはいかんだろう。

 作者には、「寝なければなんと無料で一日の執筆時間が八時間増えちまうんだ理論」を試してもらうことにして、今回の私の穴埋めお茶濁し資料紹介シリーズは、昨日更新の代わりということにしよう。

 作者よ、せっかくこのような木っ端小説を読んでくれている方々に、あまり不義理をするものではないぞ。

 ……まあ、私の登板間隔がかくも短い時点でどうなのかという話ではあるが。(せめて、週一程度に抑えておけないものなのか問い質したいものだな)


 というわけで、いつも通りの注意書きである。


 今回の内容も、小説本編を読み解くのに必要なものではないぞ。

 一切読まなくとも、小説自体の面白さに差し障りが出ることはないので、安心してこのページを閉じ、Youtubeにカワウソ動画を見に行って良い。

 かわいい。


 今回は前回の続き、『アゼルガ魔法基礎知識』の二回目になる。

 前回、マナについて解説したので、アゼルガに存在する魔法の種類について説明できることとなった。

 題して、『四大魔法と古代魔法』である。


 さて「魔法の種類」と聞いて、諸君はどのようなものを思い浮かべるだろうか。

 殊、近年のファンタジー作品においては、「攻撃魔法」やら「回復魔法」、「召喚魔法」「精霊魔法」「強化魔法」「神聖魔法」「死魔法」など、ゲームカルチャーから逆輸入される形で、既に分類・大系化が為された魔法達が登場するのがお決まりとなっておるな。


 本作においてもこういった、「魔法の効果を基準とした分類」は当然存在する。

 既に作中、ネアが大狼フェルクを呼び出して足替わりにしていたが、あれはやはり「召喚魔法」になるし、日頃、佐藤が使っているのは「強化魔法」であるな。


 ただしこうした魔法は本作においては「小分類」とでも呼ぶべきもので、それより大きな枠が存在する。

 それが「四大魔法」と「古代魔法」だ。

 最も重要な大分類であるぞ。


 その違いは、魔法を発動させる為の燃料たる、マナをどこから手に入れるか、という点に最も顕著である。

 順を追って説明しよう。


 「四大魔法」は、アゼルガにおける最も一般的な魔法である。

 そのポピュラーさゆえか、「コモンマジック共通魔法」などと呼ばれることもあるようだな。


 「四大」という名前だが、実際には八つの系統から成り立っておる。「火、水、風、土」四つの系統と、その間を埋める「光、闇、生命、混沌」の四系統であり、それぞれ相性が存在するようだな。

 まあ、こちらについては次回『精霊と血神』の解説において、図解つきで詳しく説明しよう。


 四大魔法を使う際は、自分の体内に取り込んだマナを用いるのは前回説明した通りだ。

 その為、魔法の威力は個々人の能力に大きく左右される。

 使い手の魔力量……マナのキャパシティが小さければ、弱い魔法しか発動できないし、仮に大きな魔力量を誇っていても、技量が低く、力のコントロールができない者には、やはり強い魔法を操るのは困難である。

 内燃魔法であるが故に、初心者と熟練者、その差が非常に大きく出るわけだな。


 一方の「古代魔法」には、属性的な系統は一切存在しない。

 一応、効果を見れば「分類するとしたらこの魔法は火魔法なんだろうな」といった判断をすることはできるが、あまり意味がない。


 というのも古代魔法は、四大魔法とその系統が誕生するよりも前から既にあった魔法であるからだ。

 それどころか、ある意味では、アゼルガ自体よりも古い魔法なのである。


 普通の四大魔法が、術者が体内に取り込んだマナを用いて発動するのに対し、古代魔法は外界に遍在しているマナをそのまま直接、変換・使用して、発動する。

 用いる術者個人のスペックがボトルネックにならない魔法であるため、威力と効果に、理論上、限界が存在しない。

 その為、世界を滅ぼすような大魔術も存在が囁かれているほどだ。


 古代魔法はその名の通り、太古の昔に使われていた魔法であるぞ。

 まだ世界に住む種自体がほとんどいなかった頃、はじまりの四神と、その直接の子供であった眷族達が用いた魔法とされているな。

 「ある意味でアゼルガ自体よりも古い」と言ったのは、古代魔法が、アゼルガを創った神々の用いた魔法、であるからだな。


 古代魔法はその絶大な力ゆえか、「神が用いる者を選ぶ」などと言われており、大抵の者は使うことができない。

 どういった理由によって使用の可否が定まっているのかは未だ不明ながら、「血」が影響しているのでは、という推測はなされておるな。


 一応、メムネアの師匠の師匠の師匠の師匠が私になるのだが(あいつの持っている宝杖は元々私の一番弟子が作ったものだ)、それほどの大魔法使いである私も古代魔法に対しては完全にお手上げである。

 基本的にはアゼルガの現在の住人達には使えない力、届かない力と考えた方が良い代物だな。


 そのような関係上、本作に登場する魔法は、大半が四大魔法である。

 古代魔法はほとんど出てくることはない。


 ただ、第一章の終盤には、既に『目覚めAwake』、『悪夢Nightmare』、『虚空Void』といった強烈な古代魔法が立て続けに使われるのを確認しておる。

 どうやらド派手な展開を期待してもらって構わないようだな。


 といったところで、今回のお茶濁し資料紹介を終えることにしようか。


 ああ、そうだ。言い忘れていたが、「四大魔法」でも「古代魔法」でもない、「禁呪」とだけ呼ばれ、隔離されている魔法の種類が一応あった。

 だがまあ、これについては本作で出てくるかが未だ不明であるので、省いても問題あるまいな。(しかし、マナの出所が内でも外でもないとなると、一体どこから……?)


 では諸君。

 また会おう。さらばだ。

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