【資料】ヨルの談話(4)「マナ」
おはよう諸君。ヨジュアランドの女宮廷魔術士、ヨルである。
私が来たということは、そうなのだ。すまないが、本日の更新はお休みなのだ。
ん? 今日は昼間に更新があったのではないかって?
作者によると、あれは昨日更新する予定だったものが間に合わず、今日にずれこんだだけであるようだな。
うむ。
このWEB小説投稿がはじまってひと月ほどであるが、近頃すっかりたるんでいるようであるな。
電気椅子に縛り付けて書かせた方が良いかもしれぬ。
では本日も、更新お休み日恒例のお茶濁し資料紹介シリーズをお送りしよう。
相変わらずの注意書きになるが、今回の内容も、小説本編を読み解くのに必要なものではない。
一切読まなくとも、小説自体の面白さに差し障りが出ることはない。そっ閉じOKなので、安心してくれ。
今回は、いよいよ『アゼルガ魔法基礎知識』の一回目に入る。
若干早いが、そろそろ魔法がばしばし出てくる展開になるからな。前倒しで説明する。
上記した通り、読まなくとも本編に差し障りはないが、知っておくと、それぞれの場面で起こっている現象を正確に理解できるやもしれんな。
ただ、「基礎知識」と一口に言っても、実のところそれなりに分量がある。
よって複数回に解説を分ける。
まず今回は、魔法を使う為の「マナ」について説明しよう。
本編にて、「マナタイド」という言葉が出てきた所なのでちょうど良いだろう。
アゼルガにおけるマナとはなんぞや、という話だな。
さて、ファンタジーにおいては「マナ」という言葉と概念とが、普遍的知識として広く使われているな。
アゼルガにおけるマナも、これらの知識をある程度引用、踏襲するものとなっているぞ。
以下のようなものと理解してもらえると幸いである。
「魔法」=通常の物理法則上、起こりえない現象、またはそれを起こす術のこと。
「マナ」=魔法を発動させるためのエネルギー源。広義の「魔力」と称されることも。
ざっくり説明してしまうとこうなるな。
単に言語化しただけで、割とよくある設定だの。
アゼルガの魔法は、全て、マナを消費することによって発動する。
魔法使いは自らの体内に取り込んだマナを用いて魔法を使うし、魔法が発動すると、その現象の大きさに応じたマナが消費されることになるわけだ。
ちなみに佐藤翔の目からは、生き物の体内のマナの量が【MP】として見えておるぞ。一体どういう原理なのであろうな?
マナは世界の至る所に存在しておる。空気と同様、それこそありとあらゆる場所にだ。
ただし、その濃度には差異がある。これも空気と似ておるな。
濃い場所と薄い場所があり、MPの回復速度に影響が出たりするぞ。
マナには以下のような性質がある。
・ほっとくと様々な物質に浸透し、入り込んでいく。
・その物質が持つマナのキャパシティ一杯になると安定する。
これは人間などの生物であろうと、無機物であろうと、一切関係なく、全ての物質に対して起きる性質となっておるぞ。
逆に言うと、有機体に限らず、あらゆる物質に最大MPが存在しておるのだな。
つまり、魔法を使ってMPが減っても、時間が経てば自然回復するのは、外からマナが体内に流れ込んでくるからであるぞ。
だから、周囲にマナが無い特別な場所であると、MPは自然回復しなくなる。
その場合は、マナポーションのようなものを飲まねばならなくなるな。
キャパが多い物質は当然安定状態になるまで大量にマナが流入し続けるので、物によっては、小さなサイズでも異常にマナが蓄積されることがある。
中でも、特別キャパが大きく、マナを大量に溜め込む鉱石が存在し、これは「マナストーン」「魔石」「魔力石」などと呼ばれておるぞ。
作中、ネアが目の中に「$」マークを浮かべていた代物だな。
これらの石は魔法道具を作成する際に重要な役割を担っているようで、高額取引されておる。
ちなみに「マナストーン」は世界樹と宇宙樹…………いや、この情報は今回は伏せておこうか。ごほんごほん。
あー、他にもマナの流入速度が非常に早い鉱石など、変わり種が色々あるようだな。今後本編に何か出てくるかもしれん。
逆に、最大MPがほぼ0という物質も無論あるぞ。
そこらに転がる石ころや、ただの土などだな。
まさに路傍の石、であるな。
尚、人間や亜人種など、高度な知能を持つ生物は、虫や魚といった知能の低い生き物に比べ、マナのキャパが大きめになる傾向が確認されておる。
また、それらの高等生物は、個人単位でも最大MP値に大きな違いが出るようだな。AさんとB君で最大MPは違うという、ま、一見、当たり前のことだが、肉体を構成する物質は皆、大差ないのだから、ある種特徴的ではあるのう。
これは「魔法」が精神活動や霊的活動によって発動する現象である為、と推測されておる。
精神活動を行う器官や、霊的活動を行う魂魄の発達度合いによって、マナの貯蓄量に差が出るのでは、ということだな。
ちなみに、生物の中でマナの貯蓄量が際立って高いのは、言わずと知れたドラゴンであるぞ。(うむ。未だにクソ田舎でごちゃごちゃやっておって、ロクなモンスターが登場しない故に誤解されそうだが、アゼルガにも竜はおるのだ。いつ出るのやら)
体の大きさに加え、知性の高さ、霊格の高さなど、申し分ない存在の彼らは、魔法の使い手としても世界の覇者の一角であろうな。
最後に、本編に出てきた「マナタイド」について補足しておこう。
マナが至る所に存在することは前述した通りだが、マナが特に濃くなる場所が、世界地図上を道のように縦断しておるのが観測されており、これをハイ=ロキアの賢者達は「マナタイド」と名付けたぞ。マナの潮目だな。
マナタイドについて、佐藤は「地脈みたいなもの?」とか「魔力の霧みたいなもの?」とか推測しておったが、実のところ、両方合わさったようなものというのが正解だ。
地中を走る大地の魔力経路であり、同時に、大気中のマナも濃くなる場所、というわけだの。
これは、どちらが先に立っているものとも言えぬ。両方合わせてのマナタイドである。
といったところで今回のお茶濁し資料紹介は終わりであるぞ。
「魔法基礎知識」と言う割に、論理優先で、あまり魔法っぽい内容ではなかったかもしれんな。
だが、アゼルガにおける魔法という代物を読み解くには、魔術大系的な視点と、現象的な視点の二つの観点が存在するのだ。(「オカルト視点」と「科学視点」と言っても良いかもしれぬ)
現象面だけを見ると、若干論理優先となってしまうのはそういうわけである。「不思議な話」はまた次回だの。
では諸君。
また会おう。さらばだ。
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