【資料】ヨルの談話(3)「はじまりの四神」

 おはよう諸君。

 ヨルである。

 すまない。私が来てしまったということは、そうなのだ。

 本日の更新はお休みなのだ。


 以下、多忙を言い訳に死んだふりをした作者からのメッセージである。


「皆様いつも閲覧ありがとうございます。更新滞ってばかりで申し訳ありません。

 忙殺という言葉には、『忙しい』という文字と『殺す』という文字が入っていますが、恐らく殺されるのはあれだと思います。時間でもなければ、生活でもなく。

 笑顔です。笑顔が殺されるのです。助けて! たーすーけーてー!」


 絶対に助けない。



 では本日も、更新お休み日恒例のお茶濁し資料紹介シリーズをお送りしよう。

 尚、いつも通りの注意書きになるが、今回の内容も、小説本編を読み解くのに必要なものではない。

 一切読まなくとも、小説自体の面白さに差し障りが出ることはないので、安心して欲しい。


 今日は、稀に名前が出てくる『アゼルガの神々』の一部について紹介することにする。

 以前から予定していた『アゼルガ魔法基礎知識』は、本編プロット消化速度の極端な狂いっぷりによって、今回も順調に延期である。(執筆ペースが遅すぎるのと、無駄話を挟みすぎるのとで、予定していた内容が何度も分割されてしまい、最早取り返しがつかないことになっているようだ)

 更新停滞時のお茶濁しすら、内容ままならぬというのは、割と既に末期である。


 さて。


 Hellcrawlの世界には複数の神々が登場する。

 現段階でも既に、【血神】という、未解説のパラメーターに奇妙な名前が並ぶのを目にしている筈である。


 中でも、特に重要な神は、十二人出てくる。

 太古の昔、世界を創った四人の神と、佐藤翔が旅する時代を統べている、八体の精霊神がそれだ。

 全ての紹介は大変なので、今回はその中から、創世にまつわる四人の神を取り上げてみるとしよう。


 主神、アゼ。

 アゼと対になる夜の神、イシュラン。

 精霊達の創造神、バリン。

 そして人間達を創った大神、ホルクト。


 外の世界からやって来て、アゼルガを創り出したこの四人を総称して、「はじまりの四神」と呼ぶ。

 特に重要なのは「創世神」「片腕神」などと呼ばれる、主神アゼである。



『――――はじめ、海があった。

 海には生きている者はおらず、死んでいる者もおらず、波もなく、潮もなく、ただそれだけがあった。


 ある時、そこに最初の大神アゼが現れた。

 アゼ神は、自らの左腕を切り落とすと、その姿を変えて海へと投げ込み、大地を作った。

 これがアゼルガ(アゼの左腕)である。


 アゼ神の血は燃えるように熱かったので、海はたちまち煮えたぎり、生まれたばかりのアゼルガも炎にまみれた。


 大火が世界を覆い、三十と一日の間、火は燃えるもののない土くれの世界を燃やし続けた』



 これは、以前少しだけ触れた、アゼルガの歴史の最初の時代、「創世」に関する資料冒頭部分である。

 世界自体を作ったのが、このアゼという神なのだな。

 とにかく全ての神の中で最上位、とされているのも当然か。



『荒れ狂う火は風を生んだ。

 炎の竜巻が大地を震わせ、海に吹き込んだ暴風は幾つもの大渦を作った。


 潮が海をかき混ぜ、波は陸を打ち据え、やがて荒れ波に揺さぶられるままアゼルガはひび割れてしまった。

 この時、元は一つであったアゼルガが、三つの大陸と、幾つもの島々へと分裂したのである。


 炎は一向に消える気配を見せなかったが、アゼに続いてやって来た大神イシュランが世界を冷ます為に、夜を作った。

 すると三十と一日の後、炎は収まり、冷えた大地には、草木が芽吹いた。


 次にやって来た大神バリンが呼びかけると、火からも、水からも、土からも、風からも、精霊達が生まれたので、その導きによって、アゼルガは僅か一夜にして緑に覆われた。


 しかしまだ生き物はいなかった。

 そこで、最後にやって来た大神ホルクトは土をこねて、動物達を造った。

 一番はじめに作られたのは、自分達の姿に似せて作った小人で、これを「古き民」と呼ぶ。


 ホルクトは他にも幾つかの生物を作ったが、ある日突然、他の三人の神々ともども、全く姿を見せなくなってしまった。

 その為、最後に作られていた者は、作りかけの途中の姿で完成してしまった。彼らは「終わりの民」と呼ばれる』



 この四人の神々は突然どこからかやって来て世界を創ったが、来た時と同様、不意に姿を消してしまった者達である。

 その為、「はじまりの四神」が実際に直接世界を支配していた期間は短い。

 その後の長い年月、アゼルガの歴史を本当の意味で形作ってきた神々は、バリンから力を授けられた八体の精霊神である。

 機会があれば、こちらについても今後解説しよう。


 といったところで、簡単ではあるが、今回のお茶濁し資料紹介を終えることとしよう。

 では諸君。

 また会おう。さらばだ。

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