第6話:魔王の定義
アビスの街を歩きながら
アヤメ「魔王の定義ってなんだと思います?」
さすがにメイドの服装は目立つのでなぜか私に合わせてパンツスーツに着替えて横を歩いている彼女が唐突に口にした
ジン「え?ラスボス的な・・・圧倒的に強いとか・・・そんな感じかな?」
アヤメ「う・・・ん、なんか違いう感じがするんですよね」
ジン「ん?どういうこと?」
アヤメ「強い必要ってないんじゃないかと思って・・・」
ジン「そうか?」
アヤメ「強いキャラとか怖いキャラって頭悪そうじゃないですか」
ジン「・・・ああ、確かにそうかな・・・」
アヤメ「王なんだから統率力とかカリスマ性とか頭脳で勝負なんじゃないですかね?戦闘は部下に任せればいいと思うし」
ジン「じゃあ、スキルは交渉(ネゴシエート)とか魅了を覚えた方がいいかな?」
アヤメ「それもいいですね、頭脳は本人しだいでしょうけど」
ジン「・・・がんばるよ」(それなりの大学でて、インテリっぽい仕事してんだけど・・・言ってもしょうがねーか・・・)
アヤメ「さっきの戦闘で思ったんですよ、プレーヤーはいい装備してたのにあなたに簡単に倒されていたじゃにですか?だから魔王代理の基本スペックって相当高いきがするんですよ」
ジン「そうなのか?」
アヤメ「たぶん、ですって」
ジン「まあ、そのうちわかるかな」
アヤメ「お買い物どうしましょうか・・・武器と装備と魔導書・・・一応みます?」
ジン「そうだね」
城の戦闘で使えそうな物を色々買いそろえながら
ジン「そういえば、パーティーメンバーって増やせるのかな?」
アヤメ「・・・通常のプレーヤーでもパーティーを組めるし同盟を結ぶこともできるみたいですよ」
ジン「同盟?」
アヤメ「他の国とですよ、例えば「ハイランド」と同盟を結んで「北」を攻めるとか・・・まあ、アビスにまだ軍がないからムリですけどね」
ジン「ん?軍がつくれるのか?」
アヤメ「普通の国は軍隊ですが、ここだと魔王軍ですね」
ジン「どうやったらつくれるんだ?」
アヤメ「さあ?募集でもかけるんですかね?」
ジン「ふ~ん、まあいいか」
確かにアヤメとステータスを比べると異常な数字になっていた、といってもあの戦い方を見ているとアヤメのステータスはかなり高いはずだから・・・なんんでもありか
ジン「酒場なんてあるんだな」
アヤメ「入ってみます?」
ジン「ああ、いいよ。今リアルでビール飲んでるけどね」
アヤメ「私も買っておけばよかったな~」
ジン「ん?お酒飲める年なんだ、よかったよ」
アヤメ「一応ですけどね、よかった?」
ジン「会話してる相手が高校生とかだとちょっとね」
アヤメ「ははは、たしかに」
店はすいていて人影・・・魔族と人が半分くらいがいて、隅の席に2人で座った
アヤメ「私も明日からお酒用意してからログインしようかな」
ジン「オンラインで飲み相手か?」
アヤメ「それもいいかな」
ジン「まあ、いいかゴールデンウイーク中は暇だし・・・、君って学生?」
アヤメ「う~ん、秘密。」
ジン「まあいいや。」
アヤメ「ゴメン、でも私もゴールデンウイーク暇でこまってたんだよね~
私友達少ないからさ」
ジン「そうなんだ、まあ似たようなもんだけど・・・そういえば俺にこのゲーム進めた子がいてさ、今「西」いるらしいんだよね」
アヤメ「お~、迎えに行ってパーティーに入れたいですね」
ジン「いいの?」
アヤメ「仲間は多い方がいいじゃないですか」
ジン「じゃあ、「西」に攻め込もうかな」
アヤメ「大げさですね・・・真っ向勝負で勝てる国なんて基本的にない気がしますよ、行くついでに同盟を組んできてもいいかもしれませんね」
ジン「君は意外と先を読むんだな・・・」
アヤメ「ゲームですからね」
ジン「ははは、そろそろ戻ろうか?」
アヤメ「そうですね」
ジン「そのうちリアルで飲みの行こうか?」
アヤメ「いいですけど・・・こっちまで来てくれるんですよね、どこに住んでいるか知りませんけど」
ジン「ははは、近くに住んでたら遊びに行くよ」
アヤメ「教えませんよ、リアルの住所なんて」
ジン「ははは、聞こうとも思ってないからいいよ」
アヤメ「酔ってます?」
ジン「社交辞令ってやつだよ」
アヤメ「ふ~ん、そうなんだ」
ジン「明日「西」に行ってみないか?」
アヤメ「・・・いいですよ」
ジン「15:00頃からログインできる?」
アヤメ「ちょっと待ってくださいね、スケジュールは・・・と、いいですよ」
ジン「じゃあ、そういうことで」
アヤメ「ずいぶんと急ですね」
ジン「確認したいことがあってね」
城に戻っておやすみを言って別れた。
私「さてと・・・明日は何して過ごそうか・・・」
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