第3話:亡霊

彼女が魔法を起動したらしく魔法陣が展開する、光の輪が発生した次の瞬間姿が消えました。


広間を見ると後衛の魔導士が崩れ落ちる。

もう一人の魔導士も体が浮いたと思ったら床に叩きつけられてバウンドして・・・さらに潰されて・・・それに気が付いて振り向いた剣士も崩れ落ちるように倒れる。

最後の一人も何が起こっているのかわからないまま倒れたようだった。


私(・・・あのメイドだよな?)


メイドが魔法を解きながらこちらに歩いてきました。

メイド「どうかしましたか?そんなに見とれないでくださいよ、やっぱりかわいいですか?」

私「今、全滅させたのは君か?」

メイド「後半を無視しないでください、そうですよ、光学迷彩を使いました」

私「メイドじゃないのか?・・・まあかわいいけど、どうせアバターだろ?」

メイド「え?メイドですよ・・・衣装だけ、スキルはすべてキャンセルしてアサシンのスキルをセットしてありますけれどね」

私「意味わかんねぇ・・・」

メイド「何でもありみたいですよ、初期設定で魔王側のキャラはステータスが比較できないくらい高くなっていますね、アバターはかなりリアルに近くしてありますよ」

私「え?マジで」

メイド「エロい目で見ないでください」

私「・・・・・・」

メイド「聞いていますか?否定してくれないとキモいんですが・・・」

私「ああ、ごめん・・・リアルに近いならかなりの美人だろ?」

メイド「・・・そうですか?ありがとうございます、あなたのアバターは・・・初期状態ですか?」

私「まだ何もしてないよ」

メイド「じゃあ・・・かっこよくしてくださいね」

私「・・・考えておくよ、じゃあログアウトするよ、おやすみ」

メイド「待ってくださいよ、せっかくなんだからもうちょっと話しましょうよ」

私「・・・」(もう25時なんだけれど・・・)

メイド「きいてくださいよ、わたしって基本ここにいるじゃないですか」

私「ここから出れないの?」

メイド「ここの領土のなかはある程度自由に行動できるのですが、魔王がいないと出れないみたいです」

私「・・・めんどくせーな、その設定」

メイド「まあ、そこはよくて、ここに来る人ってゲームの魔王の設定のイメージが強いみたいで、必ず玉座に行くんですよね」

私「なるほど」

メイド「魔王ですよ、まがいなりとも、一国の王ですよ、来るかわらない人を待って椅子に座ってるわけないじゃないですか」

私「それは・・・」

メイド「私だって最初は相手してあげたんですよ、10組こえたくらいからめんどくなって・・・最近ではアビスには魔王の亡霊がいるとかいないとか、噂になっているらしいです」

私「・・・ああ、そっか・・・」(って、お前が魔王でいいんじゃねーの?)

メイド「今の子たち、意外にレベル高かったみたいでいい報酬が入ってますよ、パーティーになってるから報酬は入ってるとおもうよ」

私「・・・あ・・・ほんとだありがとう」

メイド「でね・・・」

私(今日はこいつを倒さないと寝れない気がしてきた・・・ムリか・・・)

メイド「・・・だとおもいません?」

私「・・・ああ、そうかな・・・ところで、さっき使った光学迷彩って俺も使えるのかな?どうやって4人をたおしたのか聞きたいんだけど・・・・」

メイド「・・・」

私「お~い?」

メイド「・・・」

私(あ?こいつ寝落ちしてねーか?・・・まあ、いいか)


メッセージ「お疲れのようなのでログアウトします。また明日」


私(・・・眠いのにはなしたかったってことは、それだけ俺が来たのがうれしかったのかな・・・・あ、名前も聞いてないか・・・ビールおわってるか・・・)

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