第3話 旧友とは。
「っはぁ、はぁ、」
さすがにお姫様抱っことはいえ、やりながら走るのは辛いな。
「とりあえず、保健室でも行くか?」
「大丈夫よ、あんたは私に構わないで、入学式に出なさい」
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫よ!ほら、行った行った!」
「分かったよ、じゃ、後でな」
俺は千歳がズバリ無事に保健室に行けることを願いながら、体育館に向かった。
「ギリギリセーフ...だな」
「よう!久しぶりだな」
そう声をかけてきたのは、俺の小中の同級生、結だった。
「そういや聞いたぜ、お前、女子と学校来たんだってな」
「おい、誰からの情報だ?」
あるとすれば、朝会った美羽くらい...か
「白石美羽って知ってるか?」
「あぁ、朝会ったよ」
「そいつからの情報だ、ついでに言うと俺の彼女な」
「そうか」
ん?今、俺の彼女っつたか?
「彼女?お前の?」
「そうだぜ、俺もとうとうリア充になったんだよ」
結はドヤ顔でそう言った。くそ、〇してくれる。今年の卒業式でお前、何て言ったか覚えてるか?
『俺、高校行っても彼女作る気ないから、安心しろよ』
って言ったよな、まぁ、俺も作る気なかったし当たり前だ。って言ったけど
「裏切り者め」
「何が?」
この野郎....自覚しろ!
「まぁいい、ところで入学式は?これからだよな?」
「え、もう終わったぜ、お前がくる数秒前にな」
マジか。もう少し早ければ!
「じゃあ教室行こうぜ」
「お、おう」
千歳、大丈夫かな 保健室行っとくか
「すまん、先に行っててくれ、ちょっと保健室行ってくる」
「了解、先生にも言っとくわ」
「ありがとな」
俺は結と別れ、千歳のいる保健室へと向かった。
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