第2話 サブヒロイン登場

本当に?じゃ、よろしくね!」

ツンデレちゃん...じゃ、あれだな。

「名前は?」

「私?私は浅海千歳よ、あなたは?」

「俺は七星伊月、よろしく」

「ハンドルネームみたいね、よろしく」 

やっぱり言われたか。まぁ、いいか。

「入学式ってことは一年か?」

「いや、二年だけど...」

は?二年?二年がなんで学園の場所わかんないんだよ。

「わ、私、一年間病院で過ごしてたから知らなくて、でも!テストはちゃんと受けてたし!二年生になってるはず...」

おー、それ多分二年になってない。テスト受けてても出席しなきゃ意味ないぜ?俺たちが向かっている私立星屑学園は単位制。テストでどれだけ点数を取れていても、出席してなきゃ意味がない。ってことを知らないのか?千歳先輩は。

「わ、もうこんな時間、急ぎましょ」

「は、はい」 

「いいわよ。無理に敬語じゃなくったって」 

「あ、千歳、前。」

「ちょっと!先輩くらいはつけてよ!」

千歳の前にはいかにもライバルですよ~といった顔でこちらを見ている生徒がいた。

「浅海千歳さん?」

「うわ」

「人の顔を見てうわ、とは失礼な。」

「何か用?」 

「別に、もう男をゲットしたのかなとは思ったけど」

「勘違いしないで、こいつはただの道案内よ」

「美羽の勘が外れた~」

千歳、俺は先に行ってるから。じゃあ、また後で。

「ちょっと!私を見捨てる気!?」

「千歳!離してくれ!俺、これ系の女子苦手なんだよ!」 

「そんなの知らないわよ!見捨てたら許さないからね!」

「まぁ、今日は入学式だからこのくらいにしておいてあげるね」

じゃあ、彼氏さんもまた後で!と言われてしまった。千歳と知り合ってまだ10分もたってないんだが。

「一応説明しとくけど、あの子は白石美羽。ピアノのコンクールとかでライバルだったのよ」

それであんなに言い争ってたのか

「てか時間大丈夫?」

「え?」

.....

「あー!!!!!!!」

その反応を見れば分かる。完全にアウトだ。終わった。

「あと3分!頑張れば行けるでしょ!?」

「頑張れば!」

「ダッシュで行くわよ!痛っ!」

あ、捻ったな

しょうがない、ここはラノベ主人公になったつもりでお姫様抱っこでもしながら運ぶか

「千歳」

「大丈夫よ、何とかなるから」

「大丈夫じゃないだろ?」

「きゃっ、ちょっと何するのよ!」

「黙ってろ、このまま行くからな」

「.....!分かったから、早くしなさい!」

お姫様抱っこって腕が辛いんだな....おんぶした方が楽だったな。あと3分か、走るしかないな。そうして、俺は千歳を抱えながら学園に向かった。

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