このヒロイン、天然かと思ったらなかなかの策士。というか小悪魔？

青春時代を思い出して胸がキュンとしちゃいました。

白雪姫と毒リンゴを絡めたやりとりが表現としてもシーンとしてもすごくきれいで惹きこまれます。

童話を話題にした、とある男女の会話劇。
メルヘンに、スイーティに、そしてラブリーに。
青春な小話を楽しみたい方々におススメです。
……もだえますわ。

実在する童話を用いて書く小説っていうのは憧れます。

しかもそれに頼るのではなく、ベースに置きながらも自分の解釈をいれていくならなお良い！

本作で言うならば、毒林檎がそれですね。
実際に白雪姫を見て（もう何年も見ていませんが……）、普通は考えもしない観点を、全く別のワンシーンの素材として使えているところは評価したい。

いつか自分も試してみたいですね。

あまりに甘々で、それでいていたずら心に満ちた青春に、思わず胸がときめいてしまいました。何というか、青春の１ページを切り取ってハチミツに浸したかのような物語です。
そして何より、ヒロインである雪菜のメルヘンチックな語りが非常に魅力的でした。「白雪姫は何度読んでも何度読んでも、懲りずに毒林檎を食べるんだよ。もう懲りたでしょってぐらい繰り返し読むのに。相変わらず、飽きもしないで」この台詞の発想には、完全にやられました。まさかそんな物の見方があるとは……。

それにしても、ヒロインである雪菜のキャラいいですね。雪菜、白雪姫なんかじゃなくて魔女なんじゃ？　主人公、甘々の毒を盛られちゃってません？

彼女の描写が個人的に凄く好きです。
黒髪が風なびいて、白い頬が美しい。
もし、私が彼氏の立場だったら、同じように惚れているだろうな、と思います。
学生の甘酸っぱい青春を味わえる一作です。

「毒林檎ってすごく甘かったんだと思うんだよね。」
そう言って、彼女は白雪姫について話し始めた。
けれどその先の、彼女が望んでいるものとはーー

ほやほやのカップルの、甘酸っぱい恋のお話です。

甘酸っぱく切り取られた、放課後の１場面。
××をねだる少女のあどけない策略が可愛いです！