nextday SATURDAY

nextday SATURDAY

また同じ場所同じ時にて四人の兄妹は一人の仲間を取り戻すべく集団に立ち向かう…


正臣達は待った…五分十分と刻々と時間が過ぎていく。今日は土曜日、午後授業はないから待ち時間に制限はない…………


三五分後階段を上る音が響きそれと同時に屋上のドアが開いた。ギィーと言う鈍く軋む音が鳴り響く。

「すまんな、待ったか?」

そのボスと思われる人が口を開いた。

「待った三五分」

正臣がそっけなく答える。

「そこは『ううん今来たとこ』って言って欲しかったなぁ」と視線を宙に泳がせる。

「言わねぇよデートじゃねぇんだよ。お前がボスか?」

正臣は鋭い視線をその先頭の人に投げかける。そいつは少し含み笑いをした後、お手上げのポーズをして見せた。

「んいいや、ボスは平和主義なんでな。喧嘩はしないお方だ。そうゆうことだから今日は副ボスの俺が来たってわけだ」

「本当に平和主義だったよ。つーか副ボスってなんかダサくね?せめて副リーダーとかなんかあんだろ」と龍也が細かいツッコミをする。

「うるせぇー そういえばなんだよ。珍しく元久が声掛けてきたと思ったらこんなとこに呼び出されてよぉ」やっと本題に入れそうだ。

「単刀直入に言う。元久を返してほしい」

四人はその場の空気を感じるように全身の神経をとがらせた。

「ん?」

返ってきたのは元久ではなく疑問だった。

「だから、元久を」

「いや、質問の内容は分かるだが、意味がわからねぇ。あいつは望んでこっちに入ったんだ」

四人は驚きを隠せず顔を見合わせる。

「そうか。呼び出して悪かった。帰っていいです。ほんとすいません」

正臣がなんども頭を下げながら帰らそうとした。意外とあっさり帰ってくれた副リーダーいや副ボスの集団は殴ることはしなかった。

「どうゆうこと…」

智嘉子が美代に抱きつき

「もう帰ってこないのかな」と嗚咽を漏らした。誰も視線を合わせるものはいなかった。

「あいつが望んでいるならほっとくべきじゃない?」

美代が智嘉子の頭を撫でながら言う。二人は無言で頷いた。

四人は気まずそうにバラバラに帰った…



帰り道ポツリポツリと雨が降り、夜まで止まなかった…

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