nextday THURSDAY

nextday THURSDAY

また同じ場所同じ時にて四人の兄妹は顔を向かい合わせ話し合う。


「で、どうだったんだ?」

正臣がお弁当を広げながら言う。待ってましたと言わんばかりに美代がスマホを取り出す。そこには録音機能の再生の文字があった。少々の雑音の後に再生が始まる。

『元久最近こっちにこないけどどうしたの?』

『なんかよぉ先輩に気に入られたみたいでそっちに忙しくて』

『じゃあこの写真は何?』と言って見せたのはどうやら前に見た写真らしい

「お前素直だな」

正臣がは顔色一つ変えずにいった。

再生は続く

『お前なんでその写真持ってんだよ』

そりゃそうなるわな、全員が頷いた

『私見てたの』

『……』

しばらくの沈黙の後、耳を塞ぎたくなるようなぐらい大きな雑音と共に再生は終了した。沈黙が続く。

そのあと

「えっ終わり?!」

三人同時に叫んだ。

「うん」と美代は頭を縦に振って見せた。

「このあとが重要じゃん!」

「めっちゃ気になる!」

「お前何したんだよ!」と口々に不満が漏れ出て止まらない。

「で?そのあとは?」

「殴りかかられた」

またもやとんでも無いことをサラリと言う。声が出ないほどの驚きが三人の全身を駆け巡った。

「で、殴り返してきた」

こいつはまた…と言わんばかりに三人は頭を抱えた。

「結局有力な情報は無しかぁ」と龍也がため息混じりに地面に倒れこんだ。

「明日は俺らが行ってくる」

正臣が手を挙げた。

「俺らって俺も?!」

龍也が飛び起きて正臣を見る。

「当たり前だ」

正臣は龍也の肩に手を置き、左手の親指を立てて見せた。龍也は、ため息混じりに承諾した。

すると太陽を雲が覆い暗くなってゆく。

「雨になりそう。じゃあ中入ろうか」

と智嘉子が提案した後、雨と共に予鈴のチャイムが鳴り響いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る