第25話  再生

ユウカちゃんが私の左の手に触れる。そして、黄色い宝石を私の宝石に当てる。すると私の宝石が黄色い宝石が飲み込んでいく。

その瞬間、たくさんの記憶が私に流れ込んでくる。これは、リンのものだろうか、ミコトさんと出会った時のこと、そしてさっきのこと。たくさんの記憶が私の一部になっているのが分かる。凛、ごめんなさい、守れなくて。そんなことを思っていると次の宝石が私に吸い込まれる。これは?これはミオちゃんのものかな。1人で泣いているのが見える。話しかけているのはユウカちゃんだろう。この後は楽しい記憶が詰まっている。おどおどした子だったけど、幸せな子だったんだ、澪ちゃんは。次はユヅキちゃんだった。酷い家庭環境で度々親に暴力だったり、外に締め出されている。公園で澪ちゃんに話しかけている。澪ちゃんとの記憶は温かい。こっちまで笑顔になりそうだ。柚月ちゃんにとって初めて大切な人ができたんだ。次にミコトさんの記憶。ミコトさんは凛に出会うまで他の人と一緒に戦っていたんだ。でも魔獣にやられて。そんな時、凛に出会って心の拠り所ができて段々明るくなって、笑顔が増えてくる。美琴さんの笑顔は素敵だ。次は知らない人。でも時々ユウカちゃんが見える。ユウカちゃんの前の仲間だろう。友達と一緒に戦っている。でも、真実を知ってしまって仲間に言うべきか一人で悩んでいる。でも、結局言うことにして、それでやられたみたいだ。でも、最期の顔は満ちた顔をしている。その後は、さっきの人の友達の記憶みたいだった。双子の妹がいるみたい。その妹とずっと一緒にいる。何をするのにも一緒だ。私と千夏みたい。その後はさっきの人の妹の記憶。あまりさっきと変わらない。最期は姉をかばって死んでしまった。この双子はお互いのことが本当に大切だったんだ。その後ユウカちゃんは左の手の甲を当ててきた。その瞬間記憶がたくさん流れ込んでくる。それはさっきと同じだ。でも、ユウカちゃんの記憶は悲しいものばかりで悲しい思いをした後はずっとヤツを憎んでいる。こっちが涙が出てくるようなものばかりで心が苦しい。

たくさんの記憶が流れ込んできたせいか、自分の記憶が分からくなる。その時だった私の体を電流が走ったような感覚が襲った。ドクドク鼓動が速くなるのを感じる。深呼吸をする。その後立ち上がる。いつもとは違う。力が満ち溢れている。ここで自分の姿が変わっている事に気が付く。服が真っ黒になっていた。それに重ねてフード付きのマントを身にまとっている。これを被ると今の時間だと夜の闇に紛れて誰にも見えないだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る