真の作戦の章

第24話  誘導

よかった。間に合った。私はそう思いながら、拳銃を構える。ハルに攻撃しようとしていた触手を撃つ。怯んだ隙にハルを遠くへ逃がす。その間に私は触手を撃ちながら、もう灰となった仲間の宝石を集める。黄色と、水色と桃色。これで全部集まった。ごめんなさい。声には出さなくても、心の中で巻き込んでしまったことを謝る。私は銃を散弾銃ショットガンに持ち替える。そして、アイツの本体に撃ち込む。

『ぐっ。』核に近かったようだ。弱った隙に機関銃に持ち替える。そして、顔をめがけて撃つ。

『ああっ。目が、目がああ』視力を奪った内に私はハルのもとへ駆け付ける。私と今のハルだけでアイツを倒せないかもしれない。だから、私は自分の命も捨てよう。ハルのもとへ着くと、かなり衰弱していた。私は少し焦る。よかった、まだ生きている。これなら、アイツも倒せるはずだ。そう思いながら私は手の甲の宝石から、袋を取り出す。これで7つ。私の分も合わせれば、8つ。これだけあれば、私の復讐は完了するはず。ハルの左手にそっと触れる。そして、ハルの宝石に黄色い宝石を当てる。すると、ハルの宝石は赤い光を放って黄色い宝石を吸い込む。これを1つ1つ全て吸い込ませる。7つ全てが終わって次は自分の左の手の甲とハルの左の手の甲を重ねて、ハルの宝石が赤い光を放つ。その瞬間、私の体に激痛が走る。まるで体が吸い込まれることを拒んでいるようだった。でも、私にはハル程の攻撃力も魔力もない。私と今のハルで戦うより、私もハルに吸い込まれる方が勝率が上がる。勝つためにはこれはしょうがないんだ。そう自分に言い聞かせながら、私の意識は遠のいていった。

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