第21話  決戦 下

その後もずっと戦った。3人で回復をしながら。するとヤツは突然狂ったように笑い出した

『クフフフフハハハハハアーハッハ』私は、

「何がおかしいの!?」と強い口調で聞く。

『もう貴様らの負けは決まったというのに、必死に戦っているのがおかしくて、おかしくて。つい笑ってしまって。』するとユヅキちゃんは

「そんなことない!私たちは絶対勝つんだから!」

『これでもか?』ヤツは尖った歯を見せてニヤリと笑う。触手が伸びる。慌てて防御結界ガードを展開しようと構える。でもその触手は私達を無視して後ろへ伸びる。後ろ?後ろにはリンがいる。リンがやられたら大変だ。触手よりも早くリンのところへ向かわなくては。でも、触手は私なんかじゃ追いつかなくて。あっという間にリンのもとへ伸びる。触手はリンを掴む。と思うと掴んだまま触手は元の位置に戻ってくる。

「ぐっ。は、なせ!」触手を引きはがそうと必死に暴れるリン。ヤツはそれをじっと見つめる。助けたい。でもとても高い位置にあって届かない。ただ首を絞められているリンを見つめることしかできなかった。

「苦しっ。い、息がっできな」

『ほお。苦しいか。では楽にしてやろう。』そう言った刹那、ものすごい速さで地面にリンを叩きつける。

「うっ」小さな声がしてリンからたくさんの血が出てきた。リンのそばにある触手がリンの体を蹴る。リンの体は私たちの方へ滑ってきた。ミオちゃんが小さく悲鳴を上げる。無理もない。だって、リンの頭は半分潰れていたのだから。吐きそうだ。ユヅキちゃんは実際に吐いている。

(まずいわね。リンがやられるなんて。今からそっちへ向かうわ。)ユウカちゃんの声が聞こえたけれど、私には何故だか理解できなかった。

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