第21話 決戦 中
二人はヤツの正面を空けてくれる。私はヤツに向かって、一気に走り心臓めがけて跳ぶ。そして大きく振りかぶって切りつける。
『ぐっ。』少しヤツが怯む。すると、ユウカちゃんは
(今よ。ユヅキ槍を作戦通りに!)
(分かりました!)とミオちゃんは返事をして槍を大きく、そして大量に作る。それから槍を投げてヤツに刺す。そうやって攻撃しているミオちゃんを尻目に私は思いっきり後ろへ跳ぶ。振り返ってリンちゃんの居るところまで走る。リンちゃんの居るところは高いところなので、この闇の中だと宙に浮かんでいるように感じた。
「はあ、はあ。」息が切れる。
「大丈夫?じゃあ、回復するね。」弓を私に射る。回復した後は、私はまた二人のところへ戻る。
ヤツは触手で攻撃してくる。素早くて重い。
「きゃっ!」ミオちゃんが当たってしまった。すると黄色い矢が飛んでくる。回復してまた戦う。今度は私たちの後ろから、青い光が飛んでくる。
『ぐはっ。小癪な!』かなり核に近いところに当たったようだ。私も、とまた剣に力をためてさっきと同じように切る。またリンのところに戻る。そんな中、ユヅキちゃんは、攻撃をやめることなく叩き続けた。攻撃も高速移動で避けている。「とお!くらえ!」顔をめがけて素早い動きでパンチする。すると、ヤツはその攻撃を避けた。さっきまではあんな速さで動けなかったのに。するとヤツは突然笑い出した。
『ふははは。見えた。見えたぞ!お前のその自慢の高速移動ももう私には見えるぞ!フハハハハハ』甲高い声で笑う。ユヅキちゃんは急いでヤツから高速移動で離れる
と、次の瞬間私では目で追えないほどの速さで触手がユヅキちゃんの方へ伸びる。
「がはっ。」血を吐いて遠くへ飛ぶユヅキちゃん。すると、ユウカちゃんが、
(まずいわ。あんな攻撃くらったら、そんなに長くはもたないわよ!)
(でも、あんな遠くまで矢は届かないよ!届いたとしても、きっとアイツに弾かれちゃう!)そうだ、私は思いつく。
(ミオちゃん!アイツの気を引いてて!)
(わ、分かりました!)私はユヅキちゃんのもとへ走る。ユヅキちゃんを慌てて抱きかかえる。そして走り出そうとした瞬間、
『気づかぬとでも思ったか!』また触手を伸ばそうとするので、
「っは!はあ。はあ。死ぬかと思った!」ユヅキちゃんが起き上がって言う。よかった。間に合ったみたいだ。
「じゃあ、戻ろっか。ユヅキちゃん」
「うん!」
『ほお。なるほどなあ。』そう呟くヤツの声に私達は気づかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます