まず、あいつの居るところなんだけど、とユウカちゃんは壁に留めてあったこの町の地図の前に立って赤ペンで丸を付けた。そこは、新築の家が建ち並ぶ住宅街だった。

「ここにある他とは少し違う作りの家があるわ。そこがヤツの本拠地よ。ここに殴り込みに行こうと思うの。」私達は真剣に聞いていた。

「この家の中はあいつの領域（テリトリー）なの。だから、とても広くて上も下もない、闇が広がっているの。その真ん中で本神（ほんじん）が鎮座しているわ。本神っていうのは、あいつの本体のことで、きっとそれを潰せばあいつは消滅するはず。」

「それで、作戦はどうするの？」リンが聞く。

「そうね、まずはそれぞれの役割から説明するわ。まず、ユヅキとミオだけど、あなた達は攻撃し続けて。何があってもやめちゃだめよ。」

「ミオは早く動いてなるべく核の近くを叩いて。核っていうのはあいつの心臓部よ。そこを粉々にすれば潰したことになるはずだから。」

「ユヅキ、増やした武器ってどうなるの？あと、大きくなるの？」

「えっと、その増やす前の本体と同じ動きをします。だから、ユウカさんの銃を増やして、ユウカさんが撃ったら同じように撃ちます。大きくもできます。」

「そう。じゃあ、私の武器を作戦開始前に増やしてくれる？あとは自分の武器を戦いの中で増やして大きくしてから、投げたりできないかしら。」

「槍を投げる。思いつきませんでした。分かりました。やってみます。」

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