第13話  手を伸ばす

つがいの魔獣は一方に気を取られているともう一方が素早い攻撃をする。体は小さいので攻撃が当たれば勝てそうなのに、攻撃しようとするとひらりと躱される。リンが矢で追い詰めても、やはり上へ跳ぶ。時折、2つがいっぺんに攻撃をする。その時は防御結界ガードを張るしかなかった。私たちがどうしようもなく困っているときに、青い光は現れてつがいの1つを撃ち落とす。1つになったことで動きが鈍くなったようだ。そこをリンが矢で射る。ユウカちゃんが私達の前に来た。そして、すぐにどこかへ行こうとする。リンは

「あの、ちょっと待って!ハルが聞きたいことあるんだって!」と声をかける。その声に反応して体をこちらに向き直すユウカちゃん。

「なに?私、暇じゃないから、さっさと話してちょうだい。」

「あの、ユウカちゃん何か知ってるよね?できれば、その、教えてほしいんだ。」ユウカちゃんの冷たい目が私を見る。そう思ったら、突然私に向かって深々と頭を下げる。

「何でも知っていることは話す。だから私と一緒にアイツを倒すのを手伝って。お願い!」頭を上げて私に真剣な目でもう一度お願いをされた。

「分かった。私、協力するよ。」すると、ユウカちゃんは嬉しそうに、

「本当?ありがとう。」

「私のことはハルって呼んで。」私はこう言った。「わかった。」そう言った後今度はリンの方へ行って、

「アイツを倒すためにはたくさんの魔法少女がいるの。あなたも手伝って。」また頭を下げる。

「うん。もちろんだよ。ちなみに私はリンでいいからね。」

「そうだユウカってちょっと堅苦しいし、ユカって呼んでもいい?」リンはユウカちゃんに聞く。

「ええ、好きにしてもらって構わないわ。それじゃあ私の家で話しましょう。」私達はユウカちゃんの家へ向かった。

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