第14話  決意

「それじゃあ、本題なんだけど。」とユウカちゃんが紅茶とお菓子を用意したところで言った。

「まず、アイツっていうのはあなた達が女神様と呼んでいる魔女のことよ。」その言葉に私達は驚いた。

「え?うそでしょ。そんなわけないでしょ。」リンが言う。

「ホントなの。私が倒したいのはあの魔女。」ユウカちゃんの目に強い憎しみが見えた。

「女神さまが何をしたの?」私は聞いた。

「あいつは、私の前の仲間である先輩たちの命を奪った。それに私の兄の命も。」でもそれだけじゃなくて、とユウカちゃんは続ける。

「あいつは、ただ少女の〈誰かを生き返らせたい〉という願いにこたえたい、魔獣の侵攻を食い止めたいとかそういった善の心から魔法少女生み出しているわけじゃないのよ。あいつは自分の私利私欲のために生み出しているの。」

「どういうことなの?」私は詳しいことが知りたくて聞く。

「あいつはね、魔法少女のを使っての。魔法少女は娘といったところかしら。」

「え?それってどういうこと?」リンは訳が分からないといったようにユウカちゃんに質問をする。

「例えば、あなたのその髪の毛がほしい、別の子の肌が欲しい、というようにその魔法少女の気に入ったところパーツを」と言ったところで一息ついて「言い方は悪いんだけど」と付け加えて言った。

の。そのためだけに私達を魔法少女にしているのよ。あいつは、自分好みの家族を作って人間ごっこをしたいのよ。」うそ。私は信じられなかった。それと同時に優しい女神様で救世主だと思っていたのに、と裏切られた気持ちでいっぱいになって、眩暈めまいがした。それにその行為について考えただけで吐き気がする。そのとき、

「だから、これ以上あいつの好きにさせたくないし、犠牲者を増やしたくもない。」私もきっとリンも同じ気持ちだった。

「それに、私の大切な人たちを奪ったのが許せない。という私の復讐でもあるの。つまり私のエゴ。これでも協力してくれるの?」私達は

「「もちろん(だよ)」」と息ぴったりに真剣な眼差しで答えた。

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