第11話  過去の決戦

山からフェンス越しの街を眺めながらあの後のことを思い出す_____

「とお!」「うりゃー!」「これで!」そんな声とともに刀で攻撃する咲良先輩。「咲良危ない!」「優香ちゃん回復するよ!」鈴音先輩は魔法で攻撃をする。少し離れて美鈴先輩はサポートをする。私はいつもと違い、近いところから拳銃で攻撃する。何度攻撃してもヤツには効かない。それでもこれは繰り返してはダメだから。必死になってボロボロになっても、諦めずに頑張った。頑張って、頑張って頑張ったんだけどやっぱり駄目だった。先輩はみんな血だらけになって倒れていた。その時私は遠くに行って狙撃銃で攻撃していて近くにいなかった。慌てて先輩たちのもとへ駆け寄る。

「鈴音先輩、美鈴先輩、大丈夫ですか?」声をかけても「うぅ」とうめき声しか返ってこない。その時咲良先輩が、

「優香ちゃん、あのね、お願いがあるの。」

「何ですか?」

「逃げて。これは3人からのお願い。」

「駄目です!それじゃあ先輩を、先輩を助けられません!」強く答える。

「聞いて。聞いて優香ちゃん!まだコイツを倒す方法があるの。そのためにはこの中から誰か生き残っていないと。」

「それなら、先輩たちも生き残ってもいいじゃないですか!」私は言うことも聞かず、叫ぶ。

「駄目よ。私たちはもう助からないもの。だからね、まだ隠してた真実をこれから教えてあげるね。」鈴音先輩と美鈴先輩が傷だらけの体を無理やり起こして、

「「それなら、咲良がしゃべっている間は時間稼ぎをしなきゃいけないよね。」」と杖を構える。

「・・・ということなの。だから、後でまた戻ってきてね。」

を探して、今言ったことをするのよ。」私は

「はい。分かりました。」と泣きながら言った。もう先輩と二度と会えないのだから。これ以上悲しいことはない。もう会えないことが分かっていてこの場を離れることはもっと辛い。先輩は私の頭を撫でた。この温かさを失うことは惜しい。でも、でも!行かなくちゃアイツを倒すために!私はその場を急いで去った。少しだけ後ろを振り返ると、先輩たちは笑って手を振っていた______

____ガシャンとフェンスが音を立てて揺れる。私はそのことを思い出して怒りや悲しみが込み上げてきてついフェンスを叩いていた。

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