第4話  新しい日常が

あれから一週間が経ち、だいぶ戦いにも慣れてきた。魔獣はたいてい夕方から深夜にしか現れない。学校へ行って、夕飯を作って戦いへ行く。早く終わったり、遅く始まったりしたときは妹と夕飯が食べられる。だから妹と一緒にいる時間が減っても、夕飯が一緒に食べられるだけで私は幸せだ。戦いにも身が入り、頑張れるんだけど今日の相手はかなり強い。もう右足は使い物にならず、歩くだけでも大変だというのに魔獣は追いかけて私を攻撃する。けれど私は負けを認めない。諦めもしない。戦い続ける。それが妹と一緒にいられるたった一つの道だから。そう自分を鼓舞して、魔獣から逃げるのをやめて立ち向かう。しかし、その時私の胸に黄色く光る一本の矢が刺さる。でもおかしい。痛くなく、血が出ることもない。その矢は光の粒になったかと思うと、私の体内に取り込まれる。すると、私の右足や腕など怪我をしていた所がみるみるうちに治っていった。吃驚していると、双剣を持った女の子が魔獣へ攻撃していた。その女の子が攻撃しながら、矢が魔獣の方へ何本も刺さる。私がのんびり見ている間に魔獣はどうやら死んでしまったようだ。必死にあたりを見渡して矢を射った人と、双剣を持った女の子を探すため周りを見渡す。

「おーい。後ろだよー。」声がしたので後ろを振り向くと、私と似た黄色の衣装の女の子と紫色の衣装の女の子がいた。黄色い女の子は弓を持っていて、紫の女の子は双剣を持っていた。黄色い女の子がしゃべりだす。

「私、佐藤凛さとう りんっていうの。中学二年生。」紫の女の子も続けて話す。

「で、私は柳田美琴やなぎだ みこと。高校一年生よ。」黄色い子があなたは?と質問した。

「私は長尾小春です。中学二年生です。」すると、

「同い年なんだね。じゃあ、ハルってよんでもいい?私のことはリンって呼んで。」

「あ、うん。わかった。じゃあリンって呼ぶね。」するとリンは

「この人はミコトさん。私の先輩で、戦うのがとっても上手なの。」

「リンちゃん。それはちょっと言いすぎじゃないかしら。私のことはミコトさんと呼んでくれるとうれしいわ。まあ、『さん』はつけなくてもいいわ。それより、あなた最近魔法少女になったのよね。」と言われたので、私は頷く。

「だったら、私たちと一緒に行動しない?その方が安全だし。わからないことがあったとき一人だと困るでしょ。」

「いいんですか?足手まといになっちゃうかもしれませんよ?」リンは、

「そんなことないよ。私とハルはもう友達でしょ。友達は互いに支えあうものだと思うの。だから、友達を足手まといになんて思わないよ。」

「ありがとう。これからよろしく。」

「うん。一応三人のグループ作っとこう。これでいつでも連絡できるから。」三人でID交換をして、別れた後しばらくトークは続いた。リンは回復させる力を持っており、ミコトさんは空間に箱を作れる力を持っている。箱は柔らかくして衝撃を吸収させたり高いところへ行くための階段にしたりできるらしい。

初めての魔法少女友達。初めての仲間。明日からは、三人で戦うのか。やっと一人ではなくなって、嬉しい。そんなことを思いながらベッドに入る。今日はいろいろあったせいか、いつもよりも寝つきがよかった。

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