第3話  私の日常は

女神が空へ吸い込まれていくように消えって行った後、突然町に色が戻り、魔獣がこちらの方へ走ってくる。とっさに目を瞑ると、自然と顔を守るような体制になっていた。体が勝手に動いた。そんな感覚だった。目を開けてみると、私の前には半透明で赤い色をした丸くてとても薄い壁ができていた。それは魔獣に攻撃されると、赤くてキラキラした光の粒がこぼれていた。私はこのままではまずいと思い、思いっきり魔獣を押しのけてジャンプする。すると私の体はビルの上まで飛んでいた。私が攻撃をしなきゃと思うと、手にはさっき見た大きな剣が手に握られていた。ちょうどビルの真下までいた魔獣に向かって頭からビルの上から急降下。そのまま剣を振りかざし、魔獣に向かってたたきつける。魔獣はそのまま私の剣によって潰れてしまったようで、緑色の血が周囲に飛び散っていた。ふぅ。と一息つくと、変身が解かれ、さっきまでの姿に戻っていた。そうだ。妹のところへ行かなければ。走って妹のところへ駆けよると、妹には膝に擦りむいた痕があったが、それ以外はどこにも怪我をしているようには見えなかった。

「お姉ちゃん。私寝ちゃってた?」ふふっ。妹はおかしそうに笑う。その笑顔を見ると涙があふれてきた。

「なんでお姉ちゃん泣いてるの?変なの。」うん。そうだね。と答えた。

「帰ろっか。今日は千夏の好きなカレーを作らないといけないもんね。」そう言って、無理やり笑った私の顔は今とっても汚いのだろう。それでもかまわない。私の隣に妹がいるのなら。そう思って私は転がったじゃがいもを買い物バッグに詰めて帰ることにした。

「お姉ちゃん。今日は手を繋いで帰ろう。」

「うん。いいよ。」いつもはそんなこと言わないのに。と思いながら買い物バッグを妹のいない方へ掛けなおす。妹の小さい手を握って家へと歩いて行った。

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