第4話 謎の女は私でした。

紅い服を着た女が出たと言った。それは、君のイメージカラーで、僕が君に勧めた色。あの日、君が壊れるのを防ごうとした僕の小さな兄心って言うべきかなんかよくわかんない心からのプレゼント。


「気づいたかな。気づいてないだろうな。だって、忙しいし」

「大丈夫よ、あの子は気づく。私が保証するから。」

「そうだよね。だって、紅い服にしたんだし、絶対圭介くんが黙ってるわけないし。」

「そうよ。ほら、少し何か食べた方が良いわ。」


病院でようやく会えた圭介くん。私が大好きだった、望ちゃんの弟くん。早くここまで来てくれないかと願う。


「ねぇ、圭介くんはさ、かっこいいよね。」

「そうかしら?私はそう思わないわ。」

「いや、そうだよ。だって、だって、、、」

「でも、確かに似てるわよね。さすが双子って所かしら。」

「でしょ!でしょ!望ちゃんはね、すっごく優しくて、奇麗で、社交的で、もう、ほんとに完璧だったんだから!」

「はいはい。また後でいっぱい聞いてあげるから。」


こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。


「うるさーーーい!開いてるよ!」

「愛ちゃん、誰もいないよ。」

「うっそ。いた!だ、だ、だって、だって、、、、」


こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。


「ほら、また!絶対誰かいるって!」

「誰もいないわ。ここには私と貴方しかいないの。ほら、深呼吸して。また、あのときの夢でも見たのよ。忘れなさい。」

「違うもん!だって、だって、ほんとにいたもん!

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。

こんこん。こんこん。どどどどどどどどど。どどどどどどどどど。って音したんだもん。」

「はいはい。」

「嘘なんて言ってないもん。違うもん。ほんとだもん。」


ぎぃ。ぎぃ。


「あの、、、、愛さん、って方いらっしゃいますか?」

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