第15話「拡がるものと、閉じてゆくもの」


たった一つの欲しいことが

どうやら、この人生では受け取れない

そんな辛さを抱えながら

日々を生きてゆく、虚しさの中で


何度目も 痛みが転がり

眼を刺す光景に 広がる手の中

血が滲むように 痛みが口開く…


言葉を失うように 諦めと 停止の色が 赤く 点くように


たった一つだけ欲しいことが有ったはずだ

どうしても、この人生では必要だったはずなのに

もう今は辛さを抱えるのが当たり前で

日々の苦味に耐えてゆく、太陽の沈みの中


何度目も 痛みが転がり

眼を刺す光景に 広がる手の中

血が滲む…痛みが拡がってゆく


何度目も 何度目も 繰り返しの痛みが転がり

眼を刺し続ける光景に 広がる手の中

血が滲み、眼が乾き、

拡がるものと…閉じてゆくもの


言葉を失くすように 執念なく 停止に向かう色 赤く 点滅する


たった一つ 欲しいことが

惜しいところで 人生で受け取れず

そんな辛さを 抱え過ぎて

日々を生きてゆく 虚しさがある


何度目も 痛みは転がり

眼を刺してゆく光景に 広がる手の抱えもの

血が滲むように 痛みが口開いてゆく…


言葉を失ったように 諦めと 停止の色が 赤く 点き始めて…




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