人鳥恋路 高坂喬一郎様

 だらだらと続けてきたこの企画も、ようやくまだ読んでいないかつ、ルールに則って感想を述べさせて頂く物語が、あと10作品ちょいくらいになりました。


 ようやく終わりが見えてきました。


 最後までつっ走るつもりですので、よろしくお願い致します。


 ラストスパートです。




 人鳥恋路 高坂喬一郎様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881877436


 人鳥とは何か。


 すぐに物語で答えが出るので、言ってしまいましょう。


 ペンギンです。


 よちよち歩いて可愛らしく、腹ばいに移動する方法はペンギンの固有性に溢れた行動でしょう。


 今年印象的なペンギンニュースといえば、やはりペンギンアイドルの存在ですかね。アイドルが出来るフレンズ。


 それはそれとして、率直な感想を。


 おもしろいじゃないですか!






 ラブコメも、何作かご参加いただきましたが、こちらの作品は、なかなかに異彩の放つ物語です。


 淡々としているようで、どこかひねくれた個性の見える主人公と、口調が丁寧なくせにペンギンについて熱く語り、カップルの繋ぐ手を伐採していく、こじらせちゃっている系の岩水寺との会話は、一風変わっていて笑いを誘います。


 もし彼女がプレデターだったら、狩りに誘え


 この意味のわからないやりとり、好きです。


 さて、聖女のように容姿端麗だけど、その実毒舌の心地よい西ヶ崎嬢は、そのペンギン男に惚れます。

 主人公はこの不器用な2人の恋愛模様を見守るポジションです。


 なかなか進展しない感じをやきもきしながらみつつ、ご安心ください。


 主人公にも主人公たる理由があるのです。


 ええ、ペンギン様と同居致します。






 まってここで帰らないで。


 ペンギンというのはあくまで仮の姿であるのですが、幾千もの昔から続いている、優しさ故に生まれた伝統なのです。


 ただのラブコメかと思いきや、伝奇的な背景もあり、一癖も二癖も感じます。


 もうね、ペンギン様の優しさに、私はもうメロメロですよ。


 口調は堅苦しくてぶっきらぼうに聞こえるのですが、たった一つでも願いがあれば叶えようとするその姿勢、もうペンギン中のペンギンでしょう(なんじゃそりゃ)。


 キャラクター同士の掛け合いは、どこか突拍子もないような、奇妙なやりとりです。


 叫んで笑いを取ったり、変なギャグを言ったりするわけじゃなく、どこか真剣にズレたことをいうからおもしろいのです。





 ペンギン様をもっと序盤に出してください!


 こんなに魅力的なキャラクターでタイトルにもなっているのですから、もっと早い登場でも良かったように思います。


 もう物語が半分終わった後に出てくるので、物語の毛色が変わるには、少し緩慢な気がしました。


 けれども、このコミカルさとズレたようなノリ。しっかりとした伝奇的な背景。


 なんでしょう、偶然なのかもしれないですが、森見登美彦先生のニュアンスを感じる。夜は短し、歩けよ乙女とか、有頂天家族とか、ペンギンハイウェイは読んでないですが。


 ともあれ、異彩と鬼才の同居した、ペンギンの織りなす不思議なラブコメ、とても心地よく読ませて頂きました。




 いい気分でしたが、さて仕事です。


 すでに憂鬱な報告をしなければならないことが確定しているため、テンションが上がりませんね。


 職場に着てから二十四時間経過しましたし、さあ今日はどれだけ働こうかな(サビ残する気まんまんマン)。


 明後日の休みだけが希望。


 いってきます。

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