そしてふたりでワルツを カミユ様

 マカロンって、どうしてあんなに高いんだろう?



 そしてふたりでワルツを カミユ様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881223772


 タイトルから恋愛系であろうことは予測がつくのですが、内容は全然予想外でした。


 ハリウッド映画のような男女がセレナーデにコンツェルトしてロンドに明け暮れたのちにワルツみたいな感じだと思っておりましたが、いい意味で裏切られました。


 いやあ。


 やられました。





 残忍な描写から入ったかと思えば、ふわふわとしたわたあめみたいにミルキーな女の子が舞踏会で見初められます。


 王子とこうしゃ……変態に(失礼)。


 恋も何も知らない二人は、まだ想いを確信しないままに別れるのですがあら大変。


 顔は綺麗な女の子は、王様のお嫁さんにされちゃいました。


 そう、これは真実の愛を探す物語なのです。







 なんてぬるい感想でお茶を濁そうとか、そうは問屋がおろさんのです。


 悲しい境遇の王が暴君っぷりを発揮することはよくあり、そこから皇后を助け出すのも王道の流れ。


 ただ、登場人物が基本的に尖っていて面白いです。


 研究することに人生を費やす公爵は、舞踏会にガスマスクで参加する変人っぷり。いや仮面舞踏会はそういうことじゃない。


 幼い頃に、女の子を助けて、高価すぎるお礼を貰ったことに恩やら何やらでずっと気にしているスラムの王も超いい人。


 登場人物の内情と人生経緯の見せ方が、くどくなくて丁度良い。読みやすくてバランスがいいので、感情移入しやすいです。


 流れは王道ですが、彩る絵の具はエグい色。その尖り具合、面白かったです。





 私は、反省致しました。


 やっとのことで気づいたのですが、この物語でピックアップする人物によって、文の感じが変わるのです。


 語彙力、表現の詳細さ、曖昧さ、文圧など。


 それが、キャラクターのものにおける役割を表しているようです。


 物語には、内容に合った文字の温度があると思っていました。


 キャラ毎にぴったりの文を選んでいる手法に、私はするするひきこまれました。


 そして、反省したというのは、今まで読ませて頂いた物語についてです。


 その物語の人物に合った書き方をされていただろうに、それを読み取れず、文章が特殊だの、癖があるだのと考えていたように思います。


 それが好みかどうかは別として、ちょっと安易に考えすぎていたと思い、反省。




 悲しみに泣くよりも、嬉しくて流す涙が好きなのです、


 まあつまり、大好きでしたということです。


 とても素晴らしかったです。




 作者様をいじるのもどうかと思いますが。


 とてもユーモア溢れるコメントを返して頂き、ありがとうございました。


 でも、わかるのですよ。


 ユーモアを持ってふざけているような方こそ、


 物語に対して誠実かつ真面目に取り組まれているということを。


 ありがとうございました。


 そろそろボスに挑まねば……。

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