邪神会議

 私は寒風吹きすさぶ街中を歩いていた。

 その歩みは亀のごとし。寒くて縮こまりながら歩いているのだから仕方ない。もこもこのコートを羽織っているが寒いものは寒い。

 そんな日に出かけるのには理由がある。


 邪神会議があるのだ。


 邪神会議は年に数回開かれる。この世のことわりをあーでもないこーでもないと話し合うのだ。結論など出なくて良い。自己満足バンザイ。集まる事に意義があるのだ。

 集合場所は駅。時刻は午前10:50。集合時間の10分前だ。私は一番乗りを確信して、『いっちば~ん☆』とスマホにメッセージを入れようとする。

 そのときだ。私は突然話しかけられた。


Tさん「やほ、久しぶり!」


 ほがらかイケメンのTさんがいた。邪神会議の出席者である。寒空の下で、出席者の到着を待ち続けた健気な人である。

 私よりもずっと薄着で、震えている。そのうち唇が青くならないか心配になる。


私「Tさん寒そう。大丈夫?」

Tさん「へーきへーき。慣れているから」


 しかし、Tさんの震えは止まらない。せめて風のない場所に移動しようということで、駅の内部に移動した。このときもTさんは震えていたが、仕方ない。風邪を引いたら御見舞のメールくらいは寄越そう。

 駅から多数の人が降りてくる。その中に、目的の人物を発見する。

 Rさんだ。お帽子がもふもふしてて、ものすごく可愛い。


Rさん「いぇーい☆」


 私の心の動きを察したのか、Rさんはいきなりハイテンションだ。


Rさん「元気だったー?」

私「邪神だったー」

Rさん「どこが?」

私「ぜんぶー♪ いぇーい!」

Rさん「い、いぇーい☆」


 そんな会話のやり取りを見て、Tさんは確信しただろう。

 こいつら、大丈夫じゃないな。



 とにもかくにも昼ごはんを食べて、最後の一人の合流を待つ。

 その人について、こんな言い伝えがある。

 その者、茶色いコートをまといて風の中から現れん。

 人類を恐怖へ陥れるために降臨せん。


※でっちあげです。


 実際に登場するときは謎の迫力があった。

 オーバーコートを風にはためかせ、悠然と歩く姿はまさにボス。この人の前には凍てつく大気など、関係ないのかも。

 その名も、Kさん!

 某所では知る人ぞ知る超人らしい。

 Kさんの企画に投稿した作品は、公募で上位にいけるという逸話があるとか。また、タイトルだけしか魅力がない作品が、なんと最大手の公募の最終選考にいけたという伝説があるとかないとか。私の勘違いかもしれないが(ぁ

 頼りになるメンバーがそろい、邪神会議に突入。

 外は寒いからカラオケ店へ。


私「皆に集まってもらったのは他でもない。邪神としていかようにあるべきか、話し合おう」

Rさん「はい、先生! 邪神って誰?」

私「くっくっく……聞くまでもなかろう」


 私は含み笑いを始めた。


Rさん「だれ?」

Tさん「さぁ?」

Kさん「うなぺん(私のツイッター名の、U・Pの正式な読み方『うなぎぺんぎん』の略称)は知っているのかな」


 会議は難航を極める。

 まさか、誰が邪神なのか分かっていないとは……。

 自分から名乗るのは三流の悪役だ。私は悟ってもらえるのを待った。


Kさん「うなぺん、ツイッターで邪神と名乗っているけどそれかな?」

Rさん「え、邪神っぽくない!」

Tさん「うん、いろんな人が邪神とは思っていないね」

私「はーはっはっは! よくぞ当てたな」

 

 こうなればヤケクソだ。とりあえず話を進めるしかない。


私「我がじゃっしん教をいかに広めるか話し合おうぞ」

Rさん「とりあえず歌おうか」

Kさん「うなぺん、アゲハチョーをデーモン小倉閣下と北挑戦のアナウンサー風に歌ってみて-」


※誤字はわざとです。著作権は怖いですからね。


 三人は意気投合して、謎のコールを始める。

 邪神♪ 邪神♪

 異様な雰囲気のもとで歌い切る私。80点取れたのまじかんどー。

 何度かTさん歌え-とアプローチかけたものの、うまくかわされた。これが大人の余裕というものか。


 夕飯も平和に食べ終えて、帰路に着く。

 本日も、邪神会議による結論は出なかった。

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