燃え盛る陰謀

 我が魂は灼熱の猛毒。

 我が魂に触れし者、永劫の地獄に閉ざされん。


 その知らせは突然でした。

 リアル親友(略してR)からメールが来ました。

 以下、何故か「邪神物語に書いてー」と言われたので内容を公開します。


R「彼氏ができたみたい」 


 みたいってなんぞ?

 これは突っ込んでみましょう。


私「彼氏みたいなものができたのか?」

R「うん」


 いや、そこで肯定されても困りますぞ。

 彼氏みたいなものって、我ながら日本語としておかしいと感じていたのに。

 だが、ここでオタオタする邪神ではありません。

 状況がよく分かってなくても、それらしく相手から話を聞き出す方法はあります。


私「詳しく聞かせてもらおう」


 思ったとおり、Rはしばらく時間を置きます。

 この間に状況を整理しましょう。

 Rからメールが来た。彼氏みたいなものができたらしい。以上。

 ……やはり、詳しく聞くしかなさそうです。

 待っていると、Rから返信がきました。


R「兄嫁→兄嫁の会社の後輩→兄嫁の会社の後輩の母→兄嫁の会社の後輩の兄→彼氏の紹介で話が転がり込んできて」

 

 ※原文ままです。

 複雑すぎるので、あえてスルーしましょう。


私「彼氏みたいなものはいい人か?」


 大事な事は直球で聞く主義です。

 Rは一秒くらいで返信します。


R「変な人だよ。最初に会った時に喧嘩したし」


 ぐはっ。

 喧嘩したって……聞いてはいけない事でしたか!?

 戸惑っていると、メールが来ます。

 

R「でも、なんとなく仲直りした。その後で、六倍速でなんか言うからぽかんとしちゃった」

私「なんかってなんだ?」

R「聞き取れなかった」


 ほ、ほう……。

 なんか話がカオスな方向に行っている気がします。 


R「それでその日はお開きになったんだけど……後日に兄嫁から電話が来た。『気が合うみたいだから付き合おうと言われたのに何も言わなかったの!?』て」

私「ええと……」

R「彼氏みたいなものが、兄嫁の会社の後輩の兄に相談したらしい。無視された、怒っているかもって。その話が兄嫁の会社の後輩の母の耳に入り、兄嫁の会社の後輩に相談して、兄嫁に話をしてもらおうという流れになったらしい」

私「ほえー」


 先程スルーした四人を逆順に辿ったんですな。


R「六倍速で聞き取れなかったのは、告白だったみたいだね。兄嫁から『怒っていないならちゃんと連絡してあげて』と言われたからそうしたよ」


 外堀を埋められてる感ぱねぇっすね。

 当人たちより、周りが燃え盛っているようです。


私「えっと、結局付き合うの?」

R「うん」

私「付き合うんだ……がんばれ!」

R「何をww」

 

 とりあえず、Rの幸せを祈ります。

 邪神の祈りは逆効果な気はしますが(ぁ

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