我が邪悪さ、ここに極まれり!

 真に邪悪なものは、その爪を隠す。

 我が邪悪さを知るものは、この世の人間ではなくなっているだろう。

 

 私は紆余曲折あって、何故か天使・アイドル枠に収まっているようです。

 周囲には決してマイナスではないようです。癒される、平和が守られるなどの言葉を掛けられます。それ自体は、悪い気はしません。

 しかし、邪神は滅びの化身です。居心地の良い空間は、皮肉にも私自身に歪みを生じさせて、心身を蝕んでいきます。生来が邪神なので仕方ないのです。

 

私「今日にも私の心身は崩壊するかもしれない……」

Hさん「何か悩みでもあるの?」


 悩みではなく、悟りです。

 みんなの前で崩壊するか、崩壊する前に飛び去るか。瀬戸際です。


私「天使・アイドル扱いされるのは、生来が邪神たる私には毒。今、この瞬間に滅びるかもしない」

Hさん「持ち前の邪悪さで、生来を騙せば?」


 はい?

 拍子抜けする私に、Hさんは言葉を重ねます。


Hさん「生来が天使・アイドルという事にしよう。君は今日から、アイドル天使☆じゃっしーんだ!」

Mさん「アイドルさんぱくー!」


 どさくさに紛れて食われました。


Mさん「ぺっ」


 吐き出されました。

 先行きは分かりませんが、邪神のエセ(エサ?)アイドル生活は、もう少し続きそうです。

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