悪の才能

 我が身体、地獄の業火となりて、憎悪、復讐、そして悲しみを燃やし尽くそう。

 私の恐るべき悪の才能は、簡単には潰えません。


 Uさんの巧みな誘導により、天使・アイドル枠に入れられましたが、私の心はくすぶります。

 暴れたい。滅っしたい。

 やはり邪悪さは消えないのです。

 表面的な優しさで人々に癒しを与えていましたが、いつかみんな分かるでしょう。

 そして、こう言うのでしょう。


 邪神は邪悪だ、よくも騙したな。


 ええ、そうです。私の心は暗く深いのです。その深淵を覗く者は発狂し、この世から消え去ります。

 道徳的に恵まれた環境であったために私の悪の才能は花開いていませんが、いつ猛威を振るうのか分からないのです。

 今まで一生懸命がむしゃらに守ろうとしたものは軒並み滅んだり衰退しました。

 大切な仲間、信者、友人たちを傷つけてしまうかもしれません。恩義を忘れて焼き払ってしまうかもしれません。

 どうせ傷つけるなら、仇なす者たちにしたいのです。


 私は、これ以上この居心地の良すぎる環境に身をおいてはいけない、そう感じました。


私「以上の理由により、天使・アイドル枠を抜けて飛び去ります」

Mさん「邪神さんぱくー! むしゃむしゃ」


 !?

 えっと、何が起こったのか。

 かいつまんで説明すると、私は食料にされたようです。

 

Mさん「ぺっ」


 吐き出されたようです。


Mさん「邪悪な部分だけ食べたー♪」


 なんと荒い解毒!

 解説を聞くと、あらゆる魔王や邪神が善良に生まれ変わるというのです!!

 小説で書こうものならご都合主義と言われる能力でしょう。


Mさん「これで大丈夫ー♪」


 ……何がどう大丈夫なのか分かりませんが。

 私が降り立ったサイトが滅びる日はまだ遠そうです。

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