邪神物語

今晩葉ミチル

邪神物語

 邪神は罪!

 邪神は悪!

 邪神は滅びの化身!

 全てを焼き払う者なり。

 この物語は、そんな私の体験談を示しています。


 2009年、私はとあるサイトに降り立ちました。

 そのサイトはライトノベル作家を目指す人たちが集まっていて、賑わっていました。

 鍛錬室では、抜き身のナイフさながらの容赦のない感想が書き込まれ、それに負けないパワーを感じさせる数多くの作品が投稿されていました。

 この荒々しい雰囲気、嫌いではないと感じました。

 私も何度か感想を書いていくうちに、すっかり愛着が湧いたものです。


 しかし、賑わうサイトにトラブルは付き物です。

 毎日のように問題報告があがっていました。

 システム面の不具合から荒らし報告まで、とにかく話題にいとまがありません。


 トラブルに耐えかねて素敵な作者が去った事もあります。

 このままでは、まともな鍛錬ができなくなるという危機感を抱く人もいました。


 私は何ができるのか。

 邪神は何かを守る能力を持ち合わせていません。

 ただ、何かを滅ぼす。それが私の存在意義です。

 私がひとたび力を振るえば、辺り一帯焦土と化し、生命が宿らなくなるでしょう。

 しかし、何もせずに後悔したくありません。

 焦土となった大地に、別の誰かが苗を植えてくれる。そう祈ります。

 私は決断しました。


 邪神として、あらゆる悪を駆逐する巨悪として君臨しよう。


 これから私の虐殺生活が始まる!

 そう思った矢先に思わぬ言葉を掛けられます。


Uさん(管理人ではないです)「邪神枠は埋まっています。天使・アイドル枠が空いてるのでそちらへどうぞ」

私「え!? せ、せめて補欠に」

Uさん「補欠も埋まってます〜」


 なんぞ!?

 私の決断は何のためだったのでしょうか。

 てか、邪神多すぎでしょう!

 この急展開に誰が付いていけるんですか!

 私はオタオタし、結局は何もできず。


 とりあえずサイトの住民その一として暮らすのでした〜。

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