第3話 いやな予感が的中とは

医師からは当然このまま入院となること告げられた後、入院手続きに入ったのですが、おかんとは、病室へベットを移動中顔を合わせました。


この状態で、私のことが認識出来るのか不安でした。

最初顔を見た瞬間はやはり、誰か分からない顔をしましたが、少し間を置いて、「ああ、お前か、きとったんか」といい、その時は普段の穏やかな顔に戻りました。

さすがに息子の顔は覚えていることに、ややホッとし、看護師さんもホッとした顔をしました。

手続きの際、暴れて点滴が外れる危険性がある為、手を縛りつけることの了承を求められましたが、やむなしの状態です。


こうして、熱中症を機に入院生活が始まったのですが、まさに最初の電話で嫌な予感がしたことが的中したのです。

と言うのも、この前の年の同じ夏におかんと同居していた長女が熱中症でこの世を去ったからです。

離れの部屋で寝ていた長女が、朝起きて来ない為部屋へいくと、すでに死んでいたのでした。

このこともあり、連日ニュースで熱中症の話が出るたび、おかんのことが気になってはおりました。

しかしなかなか足を運ぶことができませんでした。

この日、たまたまおばさんが妻に「しばらく会ってないけど、おかん元気か」と電話があり、妻も暫く会ってないため、おばさんを迎えに行き、一緒に訪ねることにしたようです。

最初は、翌日にとも考えたようですが、明日からお盆休みで、今日のうちに済まそうと、今日にしたらしく、明日であれば最悪の状態も考えられるところであり、何か不思議な力が働いた様な気もしたりしました。


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