第3話開通式

「ただいま」


あの後2体のコープスを狩って俺はくたくただった。


「ロン〜おかえり!」


玄関を開けるとしおりが飛びついてきた。

正直疲れてて鬱陶しかった俺は


「俺に触れるんじゃない…」

としおりを突き離す。


「にゃっ!?」

アホな顔をしながら見てくるしおりに


「俺は闇だ…闇に触れたら闇になっちまうぞ」

と、かっこつけて言う。


「ロンが何を言ってるのか分からないよ?」


「馬鹿ねしおり…ロン殿は疲れてるからそっとしておいて、と言ってるのでござるよ」


とゆりのフォローに俺は心の中で{39}と言っておく


「それより拙者、先程から気になってたのでござるが…ロン殿その指輪はどうなされたのだ?」


「あぁ…これか…」



これはコープスを狩れる武器ブラッドソードを転移させる指輪だ。

赤い宝石が特徴なんだが、これはルビーって訳じゃない。


普段この指輪はアジトで厳重に保管しているんだが最近コープスの活動が活発なので、かれんが普段から身につけておけ!と言って渡してきたんだ。



「貰ったんだよ」


「あくせさりい等興味ないと言っておったうつけ者が言う台詞とは思えんな」


「まあ、俺にも色々あんの!」


「その指輪拙者にくれぬか?」


「これは大切な物だから駄目だ!」


「そうか…」

そう呟きゆりは悲しい顔をする。


なんだよ、この武士系ガールだってアクセとか興味ないって言ってたじゃないか…



「じゃあしおりが貰ってあげるにゃん!」


「駄目だ!」


「にゃあ〜ロンのケチ…」

そう言ってしおりも悲しい顔をする


なんだよなんだよ二人して!

泣くなよ?俺は女の涙はママの説教の次の次ぐらいに苦手なんだよ。


てか人のを欲しがるなんてそもそも間違ってるだろ!




この時の俺はこの二人の表情の理由(ワケ)に気付くことは無かった。

この時指輪を渡していれば…あんな事にはならなかったのかも知れないのに…





チュンチュンチュン

朝…スズメ達のコーラスで目がさめる。

そしていつものように二人を起こしシャワーを浴び家を出る。



「珍しいなロギンが遅刻してないとは」


「俺だってやればできるのよ!ところでかれんコープスの反応は?」


「上司を呼び捨てにするなあぁぁ!」



バシィィン

うひょーたまんねえぜ!かれんのビンタは最&高だぜ!


「む?丁度反応があったようだ。今すぐ現場に迎え!」


「あいよー!」


俺は駐輪場に向かった。




コープスの反応があったのはこの辺りだよな…

コープスは人を襲う時は人気のないところを狙う。

なので、この場所も人が通らなさそうな少し薄暗い場所だ。


耳を澄ましても音がしない…

まさか…食事を済ませた後か?俺は…間に合わなかった?


バイクから降り少し歩いてみる。

だが、不気味なほどに辺りは静かだ。


もう居ないのか…?

そう思った瞬間、横の柱の辺りから物音が聞こえる


居るな…俺はそう確信した。

柱の裏を見ようと警戒しながらゆっくりと柱に近づく。


そして物音がした所を見ると…



「何も…無い?」


思わず口に出してしまう。

それほど俺にはショックだったのだ。


間違いなくここから物音はした。

でも


その時だった



ぴちゃん


何かの液体が上から滴り落ちてきた。

俺はすぐさま上を見る


「くっ!」


ドカアァァ!!!


俺は間一髪コープスの攻撃を避けた。

俺が先程いた所はコープスの攻撃により穴が空いていた


下はコンクリだぞ…こいつ物凄い攻撃力だ…



「グガアアアアアア!!!」


そう叫び俺に突進してくるコープス


「ぬおおおお!」


俺はすぐさま横に転がりコープスの視界から外れる。

俺を見失ってキョロキョロしてるコープスを尻目に俺はすぐに立ち上がる。


右手のひらを相手に見せながら広げたまま顔の前に持っていく



「来い!ブラッドソード!!!」


剣が刃を下に向けたまま降ってくる。

広げていた右手のひらに丁度良く柄の部分が合わさる。

俺は右手を閉じ剣をキャッチするのだ。

そして片手で剣を構える。


「死者は眠りにつく時間だ」



俺の声を聞き振り向くコープス



「グゴアアアアア」

そしてまた俺に突進してくるのだ。


俺はコープスの突進を華麗に避ける。

こいつ良く見たら猪みたいな奴だ!まさに猪突猛進ってか?


「だりゃあああ」

コープスの後ろをとった俺は素早く斬りかかる


ザシュッ


「ガルアアアアア」


コープスが振り向くと同時に殴りかかってきた。


「あっぶ!」

俺は後ろに飛びそれを回避する。


だが、その瞬間



「なっ!?」


「ガルアアアアア」


コープスが俺に突進していた。



ガキィィィン


俺はその突進を剣で防ぐが…


「ぐあああああ」



ドカァ!



勢い良く吹き飛ばされコンクリの壁に激突する


いてぇ…くそいてぇ…もうやだ…助けてママ…

オシッコちびりそうになるのを我慢して立ち上がる



「グガアアアアアア」


また俺に突進してくる気だ…

くそっ!早く…早く!!


その俺の思いが伝わったのか


ドクン



ドクン



と剣が脈を打つ。

よっし!きたきたああ!


俺は両手で剣を持ち上げる




「能力解放!!!」



キィィィン



刃が紅く輝く



「フゴオオオオオ」


コープスが俺に突進してきた。



だが!



俺は紅く輝く剣を片手で構え…叫ぶ!



「ブラッド!スラッシュ!!」



スパッッ!!!



向かってくる二足歩行の猪は綺麗に半分になり消えていく



キュィィン

と音を立て剣は消えた。



「ふぅ…」

コンクリの壁にぶつかった痛みを堪えバイクへと向かう。



「ロギン…さん?」


「ん?」


そこには、はなさんがいた。



「あの…私…その…怪物に襲われて…その…」


そうか…さっきのコープスに襲われたのははなさんだったのか…



「あの…それで、誰かが来たような音がしたから戻ってみたらロギンさんが…あの…あの怪物はいったい?」



困惑するはなさんを俺は家まで送る事にした。


途中かれんから電話が来て襲われた市民を家まで送りますと伝えた。


そしてはなさんの家に着く。



はなさんから中に入るように言われ断るのもあれだから俺はお邪魔する事にした。


それから…気付くと俺たちはセックスをしていた。

はなさんは……はなは処女だった。



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