まさにおっしゃる通りで、技術（認識）の発達に伴う社会生活（行動）の大規模化や複雑加速化とか、それに対応するための、政策（決定）の巨大化・分権化といっても、その道のりは平坦なものではありませんでした。
米国は国際連盟を提唱しましたが議会の反対で自らは加入できず、また先進的なワイマール憲法体制からはヒトラーが生まれてしまいました。
その後の発展が実現するには、第二次世界大戦の惨禍を経なければならなかったのです。
銀英伝でも、旧帝国の圧政と堕落の末にラインハルトの治世が訪れたのであり、同盟の腐敗と失政を経なければユリアンの偉功は輝きませんでした。
この名作を読んで私は、そうした曲折の原因は、文明発展に伴う人間自身の教育・健康水準の低下や向上不足と、それを是正する淘汰の過程にあるのではないかと考えました。
ただし、人間には学習能力もあるので、そうした現象についての知識が普及すれば、少しずつでも犠牲や費用（コスト）、損失（ロス）、危険（リスク）を減らしていくことができるのではないか。
条件が同じであれば、戦争でも革命でも回を重ねるごとに、非人道的兵器の使用が抑えられたり、流血が減ったりしていく傾向があるようです。
技術的政策や経済・社会政策と連携しながら、教育・保健政策によって我々自身の知識や健康を高めていけば、少しでも悲劇を減らせるのではないか。
（ここらへんはアイザック・アシモフの『銀河帝国興亡史』やＥ．Ｅ．スミスの『レンズマン』シリーズなどにも影響を受けています［笑］。）
正直私も、何かあったら真っ先に万歳を叫ばされるかビビってヘタれるか、いずれにしても初めの方で犠牲者となってしまいそうな［苦笑］身上なるがゆえに、せめて社会全体の知識量を上げることでしか生存可能性を高められないとも思いつつ、僭越ながら私なりの、銀英伝から得た知識を書かせていただきました。
文章に紛らわしい点がありましたら、申し訳ありません。
率直なご意見と的確な問題提起、まことに有難うございました。