Middle 3.5:MASTER SCENE 悪魔の疾走

氷見川速人と坂木泉が支部を目指して去り、一条響真と炭井六郎が“インジェクター”と“ディアボロス”への警戒を改めた頃。


不確かな足取りで“彼”は歩く。

の中腹。岩壁に隠された扉を開き、姿を現す。

埃の目立つ白いスーツ。

頭の中に響くに従い、街を目指して跳ぶ。


 ―――――


 なんたる屈辱だ。忌々しい。

 この██████が、あんな奴ごときに。

 覚えておけ…必ず目にものを見せてくれる。

 ██████の誇りにかけて…“インジェクター”、貴様は必ず殺す。

 必ずだ…!


 ―――――


私立白矢しらや学園高校。

裏門に降り立った“彼”は、そこを去ったばかりの少年の気配を追う。


濁った瞳、虚ろな目の“悪魔”がそこにいた。

蠍の毒にうなされる彼は、命ぜられるままに歩み、獲物を狙う。



>>SCENE END

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