第5話恋の呪文はスキトキメキトキス

「それは初耳ですねぇ~、ルミコ君知ってたかい?」

ルミコは素直に首を横に降る。どうやら清野の言うことだけは聞くようである。

「探偵、一体犯人は誰なんだ!」

花上はすがるような声で清野に問い掛ける。

「皆さんお待たせしました!犯人マリオネットはこの中にいる!」


◎久し振りに真面目な顔の

【花上四太郎】

◎ルミコを睨み付ける

【ブタまんじゅう】

◎不安げな顔で見つめる

【堂本光二】

◎高山にサインを求める

【安西ひろし】

◎肩を震わせて泣いている

【ジャネット小林】

◎探偵だから犯人ではない

【清野耕助】

◎別な意味で確信犯の

【納谷ルミコ】

◎ジャネットに寄り添う

【ジュリア・アンドーナッツ】

◎何故か一緒に泣きながら寄り添う

【短パン】

◎安西を無視している

【高山弦】

◎旅館アルバイトの

【小杉君】

◎鶴亀旅館で号泣している

【怪盗ヒゲゴリラこと山田健二】

◎コロッケが大好きな

【コロ助】

◎ハンバーグが止められない

【ハクション大魔王】

◎堂本旅館を女手一つで大きくした三代目女将

【堂本ヨネ】

◎定年退職して田舎暮らしを夫婦で始めた

【ロバルト・アンダーソン】

◎今年の冬は寒いかな~?と考える

【コンビニ店員牧村君】

◎悲しい過去もあるけど今を一生懸命生きている

【佐々木正夫】

◎佐藤に落ちてきた数々の

【タライ】


「犯人はあなただ!」

ルミコが佐藤に向けて指を差して叫んだ。 一同が佐藤へ視線を送る。

「いやいや、違うからルミコ君。ここは僕のセリフだから!」

清野は困った顔で頭をかきながら続ける。

「まあ、いいか‥‥。犯人マリオネットはあなたです」

一同は清野が指差した人物を見る。その人物は焦り顔に変わった。

「なっ、何言ってるんだ!冗談も程々にしろ!」

「冗談は十分すぎる程やってきてるんですよ。あなたの行動も含めてね」

清野がその人物に歩み寄り

「安西ひろしさん。いや、マリオさんと言った方がよろしいでしょうか?」

「!?」

一同は驚きの表情を隠し切れないでいた、ただ一人を除いては。

「そもそも、皆さんは勘違いをしています。高山さんとジャネットさんは恋人同士ではありません。義理の兄弟なのです」

「何っ!じゃあ、婚約破棄とは何なんだ!」

ブタまんじゅうが言葉を発した。

「ネット‥‥」

清野の言葉を聞いて、安西とジャネットは一瞬反応した。

「探偵、それが何なんだ!」

花上は仲間だと思っていた安西を睨みつつ清野に質問する。

「【窓際のゴールネット】通称ネット。ハンドルネームですよ。インターネットなど他人に自分の本名を知られたくない時に使う仮りの名前です」

「ジャネットさんはあるサイトで【ネット】と知り合いました」

「もういいじゃない!」

先程まで泣いていたジャネットが大声で叫んだ。一同が驚く中、清野は冷静に答えた。

「人が死んでるです、しかもあなたに関係あるのですから」

ジャネットは下唇を噛みながら押し黙ってしまった。

「ジャネットさんは彼に心奪われてしまった、婚約者がいるにも関わらずにね」

清野は少し笑みを浮かべ続けた。

「しかし、ネットとジャネットさんは一度も顔写真を交換することはなかったんです」

一同静まり返るなか

「何故ならネットはマリオさんだったからです!」

「なっ、なんで‥‥」

清野の言葉で驚きジャネットは泣きやんで安西を見ていた。安西は高山から強引に貰ったサインを握り潰していた。

「あぁ!高山のサインが!」

花上は今にも飛び掛かってサインを奪いとりたそうだ。

「安西さんにジャネットさんを取られくなかったからですよ」

「安西って!」

花上は驚き叫んだ。

「殺されたのは安西さんです」

「何言ってるんだ、俺はマリオさんでもないしネットでもない死んでもいないぞ!」

安西は清野に詰め寄る。清野はほくそ笑みながら

「正確に言えばネットは二人いたんです。ジャネットさんと始めからメールをしていたのは安西さん。それを見つけて都合よく邪魔したのはマリオさん。本物は安西さんで偽物はマリオさんてことです。」

「何を訳のわからないことを言っているんだ」

「安西さんが旅館に入った後、偽名をわざと使い、堂本さんに疑問を持たせあなたの財布を盗ませた」

安西は冷静な声で清野を問詰める。

「さっきは驚かせるつもりだったって言ってたじゃないか」

「あなたの反応が見たかったんですよ。なあルミコ君」

ルミコは話が長過ぎて漫画を読んでいた。うっとおしいようで何度もうなずいている。

「何の証拠があるって言うんだ!」

安西は清野にサインを投げ付けた。

「じゃあ、このヒゲを付けて下さいよ。違うのなら付けられる筈です」

清野は綺麗にキューティクルされた付けヒゲを安西の前に差し出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る