第五章 俺の妹は異世界では可愛いはず!?

勇魔が異世界に連れ込まれた日の放課後。


「馬鹿な勇お兄ちゃんどこに行ったんだろう?」


うちの名前は、桜井百合(さくらいゆり)と言うの。

うちは16歳の高校生。クラスでも人気がある方だし、友達も沢山いる。

勇お兄ちゃんとは違う。勇お兄ちゃん、顔はカッコイイ方だと思うけど、性格がクソだからモテないのかな。


その、勇お兄ちゃんを探してるのだけど見つからない。今日は親に買い物を頼まれていたのに…。


とりあえず、一人で買い物をすることにしようかな。いつも行っているスーパーに向かうことにする。


「さて今日の夕食はどうしようかなぁ~」

「カレー、オムライス、焼き肉?どれにしようかな」


スーパーの扉を開ける。そうするといきなり一瞬目の前が明るくなり、眩しくて目を閉じる。


「あなたのお兄さんなら、私の世界にいますよ」

「ようこそ私の世界へ」

「あなたも私の世界で頑張って楽しんでくださいね」


声の透き通った声が聞こえ、その声はなんとも美しいく声だった。


目を開けるとうるさいゴッツイ男の人たちが目の前に飲み物を飲んでいる。それと綺麗なお姉さんが動物の肉みたいな食べ物と飲み物を運んでいた。


「うち、たしか買い物でスーパーにきたんだけどな」

「おい!嬢ちゃんなにそこでなにぼーっと立ってんだよ!」

「あの?ここスーパーですよね?」

「なに言ってんだい!ここはギルドだ」


うーん?何言ってるのかな。このゴッツイ男の人は。ギルド?スーパーはどこ…。


そういえば、勇お兄ちゃんのやってたオンラインゲーム?だっけな。一回やってみたけど面白くなかったからちょっとしか進めなかったけどそのオンラインゲームでたしかギルドってあった気がする。

ってことは…。


「あのここってどういう世界なんですか?」


ゴッツイ男はこの世界のこと長々と話してくれた。(ファテナがユウマに話したこと)


この世界が、異世界ってことはわかったけど…どうしてこの世界にきたのか。そうだ、綺麗な声が聞こえて「お兄さんは私の世界に」とかにとか言ってたような。

そうか!勇お兄ちゃんはこの異世界(ヘルサレム)にいる、勇お兄ちゃんを探さなきゃなのか。


あれ?誰かこっちに向ってきてる。あれは女の人だ。


女の人は、勇お兄ちゃんがやっていたゲームのカッコイイ騎士みたいな恰好(かっこう)をしていてスレンダーで足が美脚で綺麗な人だ。髪色は黒で髪型はハーフアップの綺麗な赤色の目をしている。


「綺麗な人だな…」

「なにかお嬢さん困ってそうだね?」


綺麗な人がうちに話しかけてきた。


「はい、ここの世界にいる勇お兄ちゃんを探すことになっちゃって…」

「なるほど、そうでしたか」

「もし良ければ私が手伝うよ?」

「えっいいんですか!」

「もちろん!困っている人がいたら助けるのは騎士の役目だからね!」


やっぱり綺麗で優しい人だ。こんな人、現実世界で一生会えないだろうな。勇お兄ちゃん羨むだろうなぁ~。


「ありがとうございます!うち一人でどうしようって思ってたんですよ」

「そうなのかい?お役に立てて光景だよ」

「自己紹介をしましょうよ!」

「えぇそうしましょう!」


名前、年齢、好きな食べ物を聞くことにすることにした。

小学生みたいだけどこのくらいの自己紹介がいいと思ったし、高校生活でもこんな自己紹介から仲良くなっていたから。


「うちから始めますね!桜井百合で16歳です!好きな食べ物がアップルパイが大好きです!」

「アップルパイ!今度私が作ってきてあげるよ」

「やった!えへへ~」

「次は私だね。名は、クリス・ライネで、歳は23歳。えっとビーフシチューが好きなのだ!」


ビーフシチューめっちゃ似合ってる気がする。やっぱり年上だったのかぁ。


「ライネさんって呼んでも大丈夫ですか?!」

「大丈夫だ!私はユリと言わせてもらうね」

「はい!お願いします!」


自己紹介を終わらせ、ライネさんがステータス?とスキル?を調べることが必要と言われたので受付人って人のところに向かうことにする。


「あの?この子の冒険者登録カードを作ってもらいたんですけど」

冒険者登録カード?ってなんだろう。

「はい!かしこまりました」

「では用意しますので少々お待ちくださいね」


「あのライネさん、冒険者登録カードってなんですか?!」

「クエストを受けたりするときに使うのよ!」

「う~ん?それは勇お兄ちゃんを探すのに必要なんですよね」

「お兄さんがクエストを受けている可能性もあるからね。それにこの世界では一応登録しとく方がいいと言われてるのだよ!」

「なるほど…」

「まぁ~とりあえず登録をしてほしいな!」


よくわからないけど、ライネさんの言ってることは聞いといた方がいいよね。


数分後…


「準備ができたのでこちらのカプセルに入ってください!」

これがステータス?スキル?を調べるものなのかぁ。

「リラックスして入るのだよ!」

「はい、わかりました…」

ゆっくりカプセルに入る。少し怖いな…。


数分後…


「は~い!終わったのでカプセルから出てきてください!」

「今、調べるので待っていてくださいね」

ふぅ~なんとか終わったみたい。全然痛さとかなくて安心だね。

「ステータスとスキルを知るの楽しみだね」

ライネさんはなにかワクワクしてるようにみえるなぁ。


カプセルを出て3分後…


「素晴らしいです!とてもいいステータスとSS(スペシャル)スキルの持ち主です!」


受付人さんは何か興奮してるけど何で興奮しているのかさっぱりうちには、わからないな。


「おぉ~すごいよ!ユリ」

冒険者登録カードにはなんて書いているのか読んでみる。

「う~んと、なになに?」


ステータスには敏捷性(びんしょうせい)?だけが物凄く横棒に伸びていた。それとSSスキルというところには、30秒間透明になり運が上がる。と書いていた。


「これってすごいのですか?」

「えぇ!とてもいいステータスとSSスキルだよ!」

「敏捷性は、素早く移動など避けることが有利になるんだよ」

「なるほどです…じゃSSスキルは?」

「ユリだけが持っていて使えるスキルのことで使い方は近いうちに教えるよ。それとユリのは、Sレアスキルなんだ!」

「いろいろ難しいですねぇ~」

「まぁ~実戦してみるしかないようだね」


いろいろ難しいけど、ライネさんがいるからなんとかなるよね。

これで一人だったらうち絶対泣いてたなぁ…。


「ステータスがわかったところで次はジョブを決めようじゃないか」

「ジョブですか…?」

「ジョブは自分のステ―タスを生かすのに決めるのが大切なんだよ!そのジョブで使えるスキルが違ったり、それぞれ装備できる武器、服装も変わるんだ!」


ジョブっていうのは、とても大切なことがわかった。ライネさんがとても張り切って説明しているから無理にでも伝わる。


「とりあえずジョブのことなんとなくわかりました!それでうちに

 おすすめなジョブってありますか?」

「私はユリのステを見て、勧めたいジョブがあったのだよ!!

 でも自分で決めなくていいのかい?」

「はい!逆にライネさんに勧められたジョブの方が安心ですし」


うちは何がいいかとかわからないからな…。それにライネさんに選んでくれるんだし間違いはないと思うから。


「それじゃ私はシーフっていうジョブを勧めるよ!受付人さんもシーフがいいと思いませんか?!」

「はい!そうですね、私もこのステ―タスならシーフをおすすめしますね!」

「シーフ?ってどういうジョブですか?」


勇お兄ちゃんのゲームにシーフなんてあったかな…。

思い出せないな。


「説明するとだね、『シーフ』とは素早さを中心に運が大切なジョブで、モンスター(人にも)の物を盗んだり、モンスターの気配を感じとったり、といろいろな役にたつジョブなんだよ!」

「まぁもちろんまだまだ技スキルなどはあるけどね」

「じゃ受付人さん!うちそのシーフっていうジョブにします!なにか楽しそうだし…」


物を盗むというのに心を惹かれたわけじゃないよ。

役に立つとおもったからなんだよ。ほんとなんだよ…。


「あなたにお似合いのジョブですよ!では登録しますね」

「はい!お願いします」


うちの身体が何か力が湧き出るような感じがする。

別に痛いわけでもないしなんだろう?。


「うわぁぁぁぁなんかすごいです!」

「それがジョブを得たって証拠だよ!!」

「そうなんですか?!」

「そうなんだよ!私もジョブを得た時はとても気持ち良かったよ…っていやなんでもないよぉ~」


数分くらいで身体の変化は収まった。なにか少し元気になった気がするな。それはさておき、これから先はこのジョブとライネさんと勇お兄ちゃんを探すことになるのかぁ。早めに探してライネさんに迷惑をかけないようにしよう。とても不安だけど早く勇お兄ちゃんを探して日本に帰らなきゃ。


「なにか不安そうに見えるけど、私はユリがお兄さんを見つけるまで一緒だから大丈夫だよ」

「ほんとに助かります、ライネさんの支えになるのでよろしくです!」

「一緒に頑張っていくよぉぉ~」

不安だけどライネさんがいるから頑張れそうだ。

うちは元気良く…「えいえい!おぉぉぉ~」と声をだす。


うちはこのよくわからない世界で、美人で頼りがいがあるライネさんという女の人と勇お兄ちゃんを探す旅が始まる。

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俺は異世界で強くなる?予定だった! 雪音 春海 @haruumi

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