第三章 俺の初期ステータスは強いはず!?
昨日の夜は、ファテナを痛めつけた。
俺はあいつが泣きそうになるまで言葉でせめてやったのだ。
そのときの俺はそうとう楽しんでいたが、そのせいでだいぶ疲れてしまって今日は体が重たい。今日こそファテナにいろいろ教えてもらう。
よし今日も異世界で頑張るか。
「えい!えい!おぉぉぉ~」
一人で頑張る声をあげ気合を入れる。決して俺はやばいやつなんかじゃない。現実世界の癖なのだからしかたないだろう。
そんなことは置いといて。俺は昨日と同じ場所で、ファテナを待つことにした。さすがにまたこないなんてことないよな...
それから、待ち合わせ時間の12分2秒後にファテナが待ち合わせのところに急いで向ってくる。
「ユウマ~待たせて悪かったわね」
謝っていたので、優しい俺は許してあげた。やはり俺はカッコイイな。
「よし!今日こそは教てえてくれよな」
「わかっているわよ、私に任せなさい!」
やっとこの異世界のことを3日目で説明される、主人公はなかなかいないよな。なんて悲しい主人公だ。
たまには良いことが起きても俺はいいと思うのだがな。とりあえず説明を聞くことにするか。
「まず!ここの世界は、[ヘルサレム]って言うのよ」
よくオンラインゲームとかで適当に名づけた世界みたいだな。
「この世界はとにかく広くて説明するのがめんどくさいのよ!!」
めんどくさいとはなんなんだ。まぁ〜たしかにこんな広そうな世界だ、説明するのも難しいのかもな。
「今いるこの町が『始まりの町』なのよ」
「えっそのままかよ!」
始まりの町ってどこの世界でもありそうな名前じゃないか。もっといい名前があるだろうに、例えば《エロロリ町》とかな。最高じゃないか。
「始まりの町には、約50000人もの冒険者がいる大きな町なのよ!」
「結構な冒険者がいるのか」
いろんな人と関わりがありそうだ。
「この世界、ヘルサレムは、女神さまがいつも見守っているという伝えがあるの。その女神のことをみんなは、自由の女神さまと呼ばれているわ」
「なんで自由の女神さまなんて言われてるのだ?」
てか自由の女神ってどこかで、聞いたことがあるが気のせいか。
「それは…適当に変な世界から人をつれてきたり、魔王四天王をいきなり作り始めたり、いきなりスライムのLevelを100にしたりといろいろ自由にやっているから自由の女神さまらしいわ」
なんだと…その自由の女神が俺をつれてきたっていうのか。なんて適当な女神なんだよ。それに適当に選んだのが俺だったとは。
この世界は、たぶんその女神のせいで糞異世界になっているに違いない。
「で、冒険者の俺たちはその魔王四天王を倒したりすればいいのか?」
「何言ってるの?そんなことしてる人なんて馬鹿な人だけよ!」
逆にこいつはなにを言ってるのだ。こういう異世界ってそんなことをするもんじゃないのか。
「一応、それを目指している人が50何人かは、いると聞いたことがあるけど...」
「よし!俺たちは魔王四天王、全滅を目指して冒険をしようじゃないか!」
やっぱり、異世界って言ったら攻略を目指さなきゃだよな。
「馬鹿言わないで!私はそんなの目指したくないわ」
こいつはなんでこの世界にいるのだ。女神にお願いしてファテナを平和な日本に送り付けてやろうか。なかなかいい提案だな。
「ふっ…ファテナ、残念だがお前は俺の永遠のパーティだぞ?」
ファテナは身体をふるわせる。
「くぅぅ~...」
「はっはっは!俺とパーティを組んだのが馬鹿だったな」
この世界にきてから俺は現実世界より性格が悪くなっている気がするな。
いや本当は優しいんだよ。
「もう諦めるしかないようね。ユウマがこんなに鬼畜だったなんて」
「俺はファテナがクズすぎるということは最初から気づいたぞ!」
ファテナは涙目になりながら、俺の肩を叩き始めた。
「もうユウマなんて知らないわよぉぉ~」
俺は万弁の笑みで、「その顔が見たかったの
さ!」と言った。
このセリフはファテナに言われたことがあるセリフだ。(忘れた人は第一章を読み返してね。)作者さんの優しさだ。
「そんなことよりまず、俺のステータスとか知る場所的なところはないのか?ジョブとか?」
「それならギルドに行った方がいいわね!」
ギルドなど立派なものがこんな世界にもちゃんとあるのだな。この世界なら変なところで確認しろ的なものかと思ったが。
「なるほど、それじゃギルドへ向かおうじゃないか!」
「なんか、ユウマ楽しそうね?」
そんなの当たり前じゃないか。
異世界にきた主人公は高ステータスでよく見ていたラノベ作品の主人公たちはだいたい強いしな。
それに優れた能力とかもっていたりすのだからな。ファテナにはワクワクしているのは隠しておこう。
「そんなことないぞ!」
「なんか変なユウマね?」
「いいから!とりあえずギルドに向かうぞ」
ギルドまでファテナに案内してもらいながらギルドに向かう。
宿屋から約20分くらい歩きギルドに着く。
町の真ん中にあり、とても大きく立派なギルドだ。やけに力入れてるのだな。
俺たちは硬い鉄の扉を開けてギルドの中に入る。
「よーしここがギルドか!結構広いな」
ギルドの中には酒屋、クエスト受付、パーティー募集場、ステータス割り振り・ジョブチェンジ・スキル決めをする場所がある。
それと最後に。
「えっと~アルバイト募集の紙が沢山貼ってある場所があるな...」
「ってこんなんいらんだろう!なんで異世界でアルバイトをしなきゃいけないいんだよ!」
アルバイトは除いてかなり良い異世界のギルドだ。
「おーい、ファテナ早く行くぞぉ~ってなんでお前はアルバイト募集の紙をみているんだよ!」
「わかっているわよ!せっかくいいアルバイトがあったのに…」
ファテナを呼び掛けて、初心冒険者の登録する受付人のいる所に移動した。
俺は、受付人に尋ねる。
「あの~冒険者の登録したいのですが?」
受付人は二人いたが片方は男だったので、女の方に尋ねた。男冒険者ならみんなそうするだろう。
「はい!登録ですね、今準備するので待っていてくださいね」
ワクワク。
ドキドキ。
どうしてもニヤけてしまう。
「どうせユウマの初期ステータスなんてクソでカスなんだから楽しみにしなくてもいいわよ」
「うるさいぞ!てか後でお前のステータス確かめてやるからな」
数分後...
「はーい!準備ができました。ではステータス、個人スキルなどを調べるのでこのカプセルの中に入ってください」
なんか、意外にしっかりしてるな。
人が入るくらいのカプセルに俺は入る。
「よしここにいる人たちがビックリするくらいのを見せてやる」
1分後に俺はカプセルゆっくり出る。
「今確認するので待っていてくださいね」
ワクワク。
ドキドキ。
数分後…
「なんてことでしょう!!皆さんみてください!」
いきなり受付人がギルドにいる人たちに俺の登録カードを見せ始めた。みんなが一斉に声を上げる。
「うわぁ~すげぇ~」
やはり俺の能力は最強だったみたいだな。受付人に登録カードを貰って、カード見た。そこには初期ステータス、個人スキルが書いてあった。
「みなくてもわかるが一応確認しておこうじゃないか!」
俺は言葉を失ってしまった。
やはりこの異世界なんてクソじゃないか。
もう俺は日本に帰りたい。
「ままの膝で泣きたい…」
俺の初期ステータスはファテナの言う通りカスだった。
ほとんどステータスが普通の人より下。モンスターで表すとたぶんゴブリン子分くらいだと思う。
横でファテナが大笑いをしている。もう俺はファテナには何も言い返す気力もない。
「ユウマ…ほんとにカスだったじゃない~(笑)」
ファテナのバカにする言葉に合わせてギルドにいる人たちも笑い始めた。
「初めて見たぜそんな低いステータス!」
「よっ!少年がんばれよ!」
「ゴブリン並とか最高だな!」
「お前こないだ子供と手繋いで歩いてたロリコンじゃねぇ~か」
と冒険者ABCDが俺をバカにしやがった。
ついでに受付人も笑いを堪えて口を手でふさいでいる。
「おい!誰だ最後の言ったやつ!でてこいやぁ~」
いやまてよ、まだ希望がある。
「まだだ!俺にはまだ個人スキルがあるんだ」
みんなはもっと大笑いし始める。
「おっ!SSスキル(スペシャルスキル)と書いてるじゃないか!」
「えっと、なになに...」
冒険者カードには、アルバイトをするときこのスキルを使えば給料がアップと書いてあった。
「なんでこんなSSスキルがあるんだぁ~!」
「普通、SSスキルって強いものじゃないのかよ...」
「ユウマいいじゃない!アルバイトをするしかないわよ!」
この世界に連れてきた、自由の女神は俺は許さない。
「なんで異世界に来てまでアルバイトをしなきゃいけないんだぁ~」
ギルド内では俺の話題で騒がしくになった。
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