第二章 ロリコンとマザコンではないはず!?

俺はファテナとパーティーを組んだ。教会の復活料金1000万ゼニ―と言うのは、やはりファテナの嘘。


俺は、ほんと馬鹿だと感じた。


よく考えればどこの世界で復活するのに1000万ゼニ―が必要なところなんてあるのだ。


ちなみに昨日のうちに自己紹介は済ませておいた。


「俺は桜井勇魔!よろしく頼む」

「ユウマ?ユウマね!珍しい名前!」

逆にこっちからしたらファテナって言う名前も珍しい。


ファテナの身長は俺と同じくらいで、外見はほんといい。髪色も綺麗なピンク色。胸はそこまでだが、自分のスタイルに合っている 。

ただ中身はほんとに残念だから、勿体ない。


今日はとりあえず簡単に自己紹介できたし、疲れてしまったから寝れる場所に行きたいな。


「宿屋に向かいたいんだがどこにあるか教えてほしい」

「そうね!私も宿屋に行くからついてきてちょうだい!」


協会を抜けて数十分歩いた。ファテナが足を止め、「ここよ!!」と指を指す、宿屋に入る。ファテナ情報によるとここが一番安い場所らしい。


ファテナは受付けをさっさと完了して寝部屋に行こうとする。俺は部屋に向かうファテナを声を掛けて止める。


「明日俺にいろいろ教えてほしいことがあるから朝起きたら宿屋の前で待ち合わせな!」


俺にはこいつくらいしかこの世界のこと聞ける奴いないからな。できればもっといい人に聞きたいが我慢しよう。


「わかったわよぉ~んじゃまた明日ね!おやすみ」

「絶対だからな!!」


ファテナのやつ相当眠たそうにしてたな。

心配だ明日ファテナがくるのか...。


そして俺も早めに寝て明日に備えた。



そして今日が昼の12時だ。あいつはこの時間になってもやってこない。てかあいつはなにをしているだ。俺はため息をつく。


俺の隣に立っていた悲しそうにしてる可愛げな小さい女の子が喋りかけてきた。


「お兄ちゃんは誰を探しているの?」

「俺はあるうざいやつをまっているんだよ」

「その人早く来るといいね!」

「ほんとに早く来てほしいよ...」


俺も困っているが、女の子方がもっと困っているように見えた。


「君はどうしたのかな?俺にできることなら助けるよ?!」


女の子がちょっと笑ってくれた。


「ほんとに!?」

「あのね、お母さんを探しているんだぁ~」

かわいい。かわすぎる。あっ俺はロリコンじゃないからね。うん。ほんとだよ。


「うん、ほんとうだよ!」

「君の名前は何ていうのかな?」


なんか誘拐犯みたいで嫌な気持だが女の子は喜んでいるからいいか。


「ありがとう、お兄ちゃん大好き!」

「私はね、マルチっていうんだ~」

大好きと言われた。生まれてきて、ままにしか言われたことのない言葉をこの子に言われて涙目になる。

初めてこの異世界にきて嬉しいと思えた。


「マルチちゃんだね!わかったよ」

マルチちゃんは不思議そうに俺の顔を見る。

「お兄ちゃんなんで泣いてるの?」

俺は後ろ向いて涙を拭いた。


マルチちゃんが言った『お兄ちゃん大好き』を心に保存しておこう。一生の宝物にしよう。


「なんでもないよ!だから大丈夫だよ」

挨拶も簡単にできたところで、これからどうしたものか。とりあえず町をうろちょろして探すしかないな。

「町を歩きながらお母さんを探そうか」

「じゃ!お兄ちゃんについていくね」

マルチちゃんは俺の後ろにぴったりついてくる。

これはまさにドラゴ●クエ●トだな。と冗談はおいといて、俺たちは宿屋の前から歩き始めた。



俺が幼いころ迷子になった時、ままがショッピングモールで服を見ていたのを思い出した。


「マルチちゃん、この辺で服とか売っている場所ってあるかな?」

「あそこにたしかあったはずだよ!」

マルチちゃんは、服屋のところに指をさす。

俺は服屋に向かうことにした。


マルチちゃんが指した服屋に少し歩いただけで着いた。


そうして俺は、服屋の木こりの扉をあけ入店する。


そこには沢山の服があり、ダサいものから俺が欲しそうな服がある。靴や帽子はもちろうある。


俺も今の学校ジャージをやめてカッコイイ服を着たいものだ。


いきなりそこの厳つい店主が声をかけてきた。


「よっ!いらっしゃい」

「なにか買っていくかい?」


服を買うのは今度だな。金もないしな。

俺は厳つい店主にお母さんらしき人はいなかった聞いてみた。


「悪いがみてないな、があそこに立っている女ならしってんじゃねぇか?」

「そうかありがとう、助かる!」


店主が言っていた女の人ほうへ向かう。

そこにいたのは、何時間も俺が待っていたあいつがいた。言わなくても察しているだろうな。


そうあいつとは…ファテナだ。


「おい、ファテナここでなにをしているのかなぁ~?」

ファテナが振り向いて、「ぎゃあああ」と俺の顔をみながら叫ぶ。

「なんでユウマがここにいるのよ?!」


俺はまたまた深くため息をついてしまう。


「逆になんでお前がここにいるんだよ!」

「昨日いろいろ聞かせろと言っただろ」


ファテナはすっとぼけた顔をしている。こいつは反省もできないのかと思うと俺は悲しくなってしまう。


そこに困ったふうにしてたマルチちゃんが俺のズボンをつんつんする。

「お兄ちゃん?この人が待ってた人なの?」

「そうだよ、この人があのうざいやつだよ」


どうせならファテナではなく、マルチちゃんの母親をさきにみつけたかった。


まぁ~ファテナには後でゆっくり話をきこうじゃないか。そうして俺はファテナを睨み付けた。


「そんな睨みつけないでよ!怖いわよ!」


ファテナは少し俺との距離をとって、マルチちゃんのことを説明してと言われた。そうして俺はマルチちゃんの事をファテナに説明した。


「なるほど!わかったわ、私も手伝うことにするわ」

「お姉ちゃんもありがとう!」


マルチちゃんはほんとにいい子だ。俺は笑顔でマルチちゃんを見る。


隣にはファテナがにやけて俺をみている。


「ユウマはロリコンってやつなのね」

「違う!そんなはずがない俺はロリコンではない」

「隠さなくてもいいのよ!」


俺はそうだと信じたいから言葉にして言った。それにしてもこいつはやはり腹立つことを言ってくるな。


そんなことよりも早くマルチちゃんの母親を探さなきゃだな、もうそろ夕暮れだ。


それからいろんな人に聞いてみたりしたが見つからなかった。


「もしかしたらマルチちゃんがもと居た場所にいるかもしれないわよ!」

「そうだな...。それにかけるしかないな」


俺たちはもと居た宿屋にもどることにした。マルチちゃんは困っている顔をしていたからはやく見つけてあげないとな。


俺とマルチちゃんは手を繋いで駆け足で宿屋に向かった。


もといた宿屋の前に女の人がうろちょろして居た。


「お母さんだぁ〜!!」

その女の人は、マルチちゃんの母親だった。

まさかファテナのことが当たるなんてな。こんな奇跡はもう一生起きないだろう。


マルチちゃんは喜んで母親のところに走って行く。


母親も喜んでいて、二人はとても嬉しそうに抱きつき涙を流す。


「マルチよ、ちゃんとお兄さん方にお礼を言ってきなさいな」


マルチちゃんが俺たちの方に来て笑顔をみせる。


「お兄ちゃん、お姉ちゃん、お母さんを探してくれて本当にありがとう!」と言って母親の方に戻って行く。


最後にマルチちゃんが手を振ってくれたから俺とファテナも笑顔で手を振った。


俺はこの町ででいいことをしたのだから、この町での俺の印象は高アップなはずだ。


「俺もままに会いたくなってきたな」

ファテナが大笑いし始める。

「いやまさかね、ユウマがロリコンでマザコンだったなんてねぇ〜」


俺としたことが…いつもの癖がでてしまった。


「ファテナさん?今日の事忘れてませんよね?」

忘れたなんてことは無理やりでも言わせないがな。

「なんのことかな!?」


ほんとにこんなやつとパーティーなんて本当に最悪だ。


「ゆっくり宿屋で話そうか?」

「ひえぇ~ごめんなさいぃぃ」


とりあえず今日は迷子の子マルチちゃんを助けてあげられて良かった。それにしても俺のカッコイイところをみせれたな。

明日は絶対ファテナにいろいろ教えてもらうことにしよう。


とりあえず今夜はファテナをたくさん痛めつけることにする。

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