俺は異世界で強くなる?予定だった!

雪音 春海

第一章 異世界で俺は強くなるはず!?

「あぁ~異世界に行って強くなりたいな」

と俺は恥ずかしいことを学校の屋上で寝転んでつぶやく。


 俺は桜井勇魔(さくらいゆうま)と言う。妹には、だっさい名前と言われるが意外にも俺はこの名前が気に入っているのだ。


勇者に魔王という漢字がつかわれているところがなんとも最高じゃないか。


「まま、ぱぱ、ありがとう!」


 まぁ~名前はもういいか。で現役17歳の高校生。ゲームとアニメがこの世で一番大好きな健全な高校生なのだ。

 友達は0人に近いが…自己紹介はこんなんもんでいいだろう。


 えっもっと聞きたいって?ダメだよ作者さんが困っちゃうではないか。こんな俺の設定なんてめんどいと思っているのだからな。


じゃ一つだけ教えてあげよう。


「俺はそこそこカッコイイ!」

ほんとに自己紹介はエンドにしよう。


「おっと昼休みの終わりのチャイムだ、戻らなきゃ」

立ち上がろうとすると頭がクラクラする。


 そういえば今日は太陽がでていてものすごく暑かった。ニュースでも最高気温が30℃を超えるみたいなことを言ってたな。


「あっだめだ」

「バタン●ュー」

俺は目の前が暗くなり倒れた。


その瞬間なにものかの声が聞こる。

その声は、とても綺麗な声。


「ようこそ新しい世界へ」

「新しい世界で強くなって頑張ってくださいね」


その声を聞き、目が覚めると俺が求めいていた異世界に来てしまったらしい。


「おい!まじかよ!ほんとに異世界きたーーー」


俺の目の前には、スライムやオークなどゲームとかで見る魔物が沢山うろちょろしていた。広い草原。

それに、ここから大きな町が見える。


「これは俺、勝ち組じゃないかぁ~」

「ありがとう女神さま!」


あまりにもありえない光景に喜んでにやけていると近くで叫んでいる女が走りながら物凄い大きなスライムから逃げていた。


「きゃぁぁぁぁぁ助けてよ~」

「おーい、そこの少年助けて!」

俺に言ってるのか。

たぶん俺しかいないよな。

「ふっ!しょうがない、この俺が助けてやろう」


俺は女と大きなスライムのところへ走って向かった。

女が俺の後ろに隠れる。


「あの大きいスライムを倒して!お願い」

この異世界でカッコつけるチャンスだ。

「俺にまかしてくれ!」


ってまて武器も防具もないし、戦い方も知らない。とりあえず俺はスライムに殴りかかるしかないよな。


「うぉぉぉりゃ!俺のナックル」


 スライムが大きな口を開け始め、俺を飲み込もうとする。


 カッコつけたのが馬鹿だったことを俺は今更ながら気づく。


「にょりょにょろ」

「あぁ~なんてダサい主人公だ」


 俺はスライムに飲み込まれ、どんどん死にそうになっているのを感じる。スライムの中から笑っていた女が最後にかすかに見えて、そして俺は、身体が動かくなり死んでしまった。

 

こんなに早く死んだ異世界主人公がいるだろか。


「あらら、棺桶に入っちゃって教会にでも向かうしかないわね!」


 俺は身体が回復した風に感じて目が覚めた。目が覚めた場所は、教会みたいなところにいた。いやてかここは教会だ。


「そうか…俺死んだんだっけな」

ほんとにもう生きていけない。

とりあず棺桶からでなきゃだな。


目の前には神父さんがお祈りしていた。

後ろにはさっき逃げていた女が居て、しかも笑いながら話しかけてきた。


「やっと復活したのね!」

こいつなに笑っている…

「ぷふふ、ほんとに酷い死に方だったわ」

「思い出し笑いで腹がいたいわよ」


この女、見た目は最高なのになんて中身が残念な女って感じがしてきたぞ。


「おい!そんなに笑うなよ!俺が助けようとしてやったのに」

「いやぁ~ごめんなさいね、あんな死に方は初めて見たから驚いちゃって!」


また笑ってやがるよ。

俺のメンタルはボロボロだ。

女神さま俺の心を癒してください。


てかまてよ誰が俺を復活させたのだ。まさか。


「お前が教会まで運んで復活させたのか!?」

「そうよ、私に感謝しなさいな」

「それと私の名前はルメール・ファテナよ、呼び方はファテナ様と呼んでちょうだい!」


 まさかこいつが俺を助けたとは…。とりあえずお礼をいうか。なにがあっても助けてもらった人には感謝を、ってままが言ってたしな。


「とりあえずありがとうな、ファテナ」

照れながら俺はお礼をした。

するとファテナは馬鹿にした笑顔になる。

「この顔が見たかったのよ!」


もう俺はこの場から逃げたいと思った。もうお礼は言ったから、教会をでよう。


「もういい!お礼も言えたから俺はもう行く」


 俺は教会の人にもお礼を言って教会をでようとする。すると、後ろからドロップキックをファテナが俺にした。


「ちょいまってよ~少年!」

「痛い痛すぎる」


俺の腰に激痛が走る。なんだっていうんだ。


「俺がなにをしたんだ!」

ファテナがまた笑う。


「いや~少年に話したいことがあるの。それよりお願い事かな」


こいつ、ファテナのお願い事を聞くのは怖いが聞いてみるか。

「お願いとは何だ?」


警戒しながら俺はファテナに聞いてみる。するとファテナが俺の顔をみる。


「私とパーティーを組もうじゃないか!」

「私は少年を気に入ったわ!」


なにを言っているのだこいつは…。俺とパーティーを?謎すぎる。

こいつは俺の名前もしらないだろ。


「どう!?私と組んでみないかな?」


 でもたしかに仲間は大切だ、それに俺はこの世界の生き方さえ知らない。いろいろ教えてもらったりする必要があるよな。よし決めた。


「おっ!いい顔をするじゃないの!決めたのね」


よしっ気合をいれて。

大きな声で。


「ハイ!お断りします」


 俺はこんなやつとパーティーはごめんだね。どうみてもこんなやつがヒロインなんて受け付けない。異世界のヒロインは、優しくて美しい人か幼い子に限る。


 目の前には白目をむいたファテナが立っていた。俺はそれを無視して俺は教会の扉を開ける。


するとファテナが小さな声で何かを言ってくる。


「教会での復活代まだ貰ってないわ…」

うっ痛いところを突かれたか。それを言われたら何も言えない。

「なんぼ払えばいいのだ?」


ファテナは怖い笑みを浮かべる。


「この世界の教会は高いのよ」

「ごくり…」

「1000万ベニ―よ」


 嘘だろそんなにするのか。日本だと1500万くらいか?よくわからんがどうしよう。 この異世界に、借金機能なんてなさそうだな。


「もし私とパーティーを組んでくれたら免除するわ!」

どうして俺がこんなやつパーティーを組まなきゃダメなんだよ。

だがどうしようもないのから俺は諦めてため息をする。

「わかったよ、俺はお前とパーティーを組む」

するとファテナがにやにやし始める。

ほんとむかつく。


「決まりだね!これから私と少年はパーティーメンバーよ」

 あぁ~俺の異世界での人生は終わりだ。俺は異世界で強くなる予定だったのにな…。パーティを組んだ音楽が教会で鳴り響く。

 ついに俺はファテナとパーティーメンバーになってしまった。


「ちなみに俺はお金を、ゼニ―を払ったら抜けるからな!」

さらにファテナがにやけ始める。まだなんかあるのか。恐ろし。

「悪いわね、この世界で一度パーティーになったら抜けることができないわ!」


 ほんと俺は不幸だ。女神さまは俺を見放したんだね。まわりから笑い声が聞こえる。ある人が衝撃の一撃を言い始める。


「あいつかわいそうだな。あの嘘で有名なルメール・ファテナに騙されるとは」

「なんでそれを早く言わないんだよ〜!」

涙目で俺は教会で大きな声で叫ぶ。

涙目になっている俺を見てファテナが笑いまくる。


「ありがとうね!これからも永遠によろしくたのむわ」

「もし生まれ変わるなら違う異世界にしてくれぇぇぇぇ」


こうして強くなる予定だった俺は異世界で一生懸命頑張ることにした。

「がんばる●い!」

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